サイドポッド/ポンツーンの空力効果 考察 by tw

Web掲載日:2011. 2. 6日

以下のスケッチは筆者の空気流体力学の知識と各書物から知り得た情報からと、
筆者のBFD(=脳思考流体解析)から導いて描いたイメージ・スケッチだが、空力的にそんなに実際と大きく間違った内容ではないと思う。

   気流の線は、赤色は高速流、緑色は中速流、青色は低速流を、
   空間の色は、青色は低圧域、緑色は大気域、赤色は高圧域を示す。







以下、車体側形状とサイドポンツーン形状による空力効果について綴る。

左図は筆者がF1GPを初めて観た(1990年鈴鹿。13才の時の)後に思ったサイドポンツーンの形状で、
当時はまだベルヌーイの定理を知らなかった事から、
サイドポンツーンに当たる気流を横方ではなく、上方へ導いたらどうか?と考えて居た。

しかし実際にはそうすると、サイドポンツーン上面の流速が増し、圧力が低下してリフトが発生してしまう上に、
前輪が巻き起こす乱流をサイドポンツーンで整流する事もできなくなってしまうのであった。
そして、低圧となっている車体底面へ、外側から空気が侵入してしまう事への対策が何も成されていない。

どうも車体底面の気流進路は、前方から後方へ真っ直ぐ抜けると空力効率が良い様で、
途中で外側から空気が侵入すると空力効率が悪化してしまう様なのだ。なのでそれを軽減したい。

(尚、当時から1994年までの車体底面は、左右へ段差の無い、横方向へ全域でフラットボトムとされていたが、
 今回のページでは記述内容を判り易くする為に、全てステップドボトムとして描いてある。)




左図が1990年当時のスタンダードな形状で、サイドポンツーンに当たる気流は横方向、外側へ流していた。
この形状から、サイドポンツーン側面の気流絞り効果により、
前輪が巻き起こす乱流をサイドポンツーン側面で整流し、リヤへできるだけ整えた気流を供給していた。

更に、この形状でサイドポンツーン側面を高速流低圧とした事から、
車体底面へ吸われる所であった空気を、サイドポンツーン側面へ引き付ける効果もあった様だ。



名称はは90年代まで「ポンツーン」、2000年代から「ポッド」と呼ばれる様になったと思う。

2003年、フェラーリはサイドポッド側面下部を狭く絞り込む形状を実戦投入した。
それ以前にもそうしたマシンは存在したが、初めて本格的にそうした形状としたのは2003年のフェラーリであると思う。

その目的は、サイドポッド側面下部を高速流低圧域として、車体底面へ空気が入り難い状況にしたのだと思う。
これで、路面近くの空気が車体底面へ吸い込まれてしまうのは防げないでも、
サイドポッド側面の気流は車体下へ入る込むのは防止できる様になったと思われる。



2004年あたりからか、各チーム、
ノーズ下の空気を、フットボックス下部のセパレーターで左右へ分け、
その大量の気流を、サイドポッド側面へと流すデザインがスタンダードとなっていった。

これにより、各車のサイドポッド側面の高速流低圧域を加速させた。
これはサイドポッド後部のコークボトル・ラインや、フェアリングフィンの吸い抜き力が多大に影響していた。

しかしそれはサイドポッド前半分のエリアで、後部では車体幅最大のあたりまで広がっていた。
狭めたままコークパネルへ続くのは、今(2011)年のトロロッソが初めてかもしれない。

尚、年につれテクニカル・レギュレーションで定められる側面衝撃吸収能力が引き上げられている為、
おのずとサイドポッド上面部の断面が大きくなっており、これはサイドポッド上面でリフトを誘発させる筈だ。

しかしサイドポッド上面へ気流を流す事は、
リヤビュー・ミラー後部の剥離してウエイク化した空気へ運動エネルギーを与える事や、
サイド・プロテクターが起こす気流の乱れを整流する効果はありそうだ。



(このページの最終更新日: 2011. 2. 6日)
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