スーパーアグリ SA07  text by tw (2007. 2.23)

スーパーアグリF1チームの2007年用マシンが、2月22日のバーレーンでのテストで姿を現すと聞き、
筆者はF1racing.netや、F1Live.comで写真を観たが、
そのマシンは大方の予想通り、2006年用のホンダRA106を2007年規定に対応させた代物であった。

2007年度のテクニカル・レギュレーションでは、クラッシュテストの基準値が向上された為、
モノコックやクラッシャブル・ストラクチャー(衝撃吸収構造)がRA106とは若干変更されている筈である。

その他、RA106とSA06との差異点は、
フロントウイングの翼端板が翼下では斜めに広がった形状として、翼端板を底面プレートのトンネルに直結させた事や、
(この手法は昨年に筆者が先に考案し、本サイトで公表している)
モノコック前端の上面両側には、フロントウイングが跳ね上げる気流の進路を制御するミニウイングが追加された事や、
インダクションポッドのエンジン・エアインテーク形状が異なる事や、
インダクションポッドのミッドウイングが規定一杯(600mm以内)まで幅広となった事、等である。



何故スーパーアグリF1チームが車体を独自にデザインしていないかと云うと、
その理由は、このチームがコンストラクター(製造者)では無いからだ。

筆者の理解している範囲では、元々フォーミュラー1 グランプリの趣旨とは、
規定内で最速を目指した車輌を開発し、そのマシンを世界最速級のドライバーが操縦し、
その参加者達がチャンピオンシップを争う競技であると理解している。

つまり、車輌を他所から購入または供給されている参加者が存在すると、競技の趣旨が異なってくる。

車輌を他所から購入または供給されていても、
チーム監督や、ドライバー、エンジニア、メカニック、その他のクルーにとって、
それぞれの個人には仕事の遣り甲斐は有るだろうし、
観る側にとっても、特定のドライバーやチーム監督を応援しているファンには応援対象となるであろうけれども、
しかし、純粋にF1グランプリの在り方を考えた時に、
コンストラクターでは無いチームがF1に参戦している事に、筆者は違和感を感じざるをえないというのが本音である。
勿論これはスーパーアグリF1チームだけの話ではなく、レッドブルに買収されたトロロッソについても同じである。

(このページの最新更新日:2007. 2.23


Rd.9 イギリスGP  (7/12更新)

予選では、アンソニー・デビッドソン車の車載カメラで、フロント サスペンションの動きが放送され、
シルバーストーンの高速S字コーナー通過時に車体のロールの動きが観察できた。
一部のWebサイトには、現代のF1マシンのフロントサスはストロークしないという記述が見られたが、実際にはそうではない事が確認できた。

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