B・A・R 006  text by tw (2004. 2. 1〜 2. 2)

2月1日にBAR 006は発表された。
ノーズの幅は広く、スラントノーズとなった。
2001年のフェラーリのノーズに似ているが、下面のラインが異なる。2001年のフェラーリのノーズ下面は、
ウイング下面の様に気流を迎えるラインなのに対し、BAR 006のノーズ下面はノーズ先端から急に上昇が始まる。

フロント・ウイングは昨年よりも中央の落ち込みが大きくなり、左右の部分も全体的に低く設置されており、地上効果を重視したタイプ。

ウイング・ステーの、ノーズと一体となっている側は高さを短くしてあり、
今後フロント・ウイングを中央の落ち込みの少ない形状への変更が可能となっている。
このステーのノーズとの接続箇所は、ウイングへストレートに伸びるタイプ。昨年はノーズとの付け根がRのついた形状だった。



フロントサスのロワアームは、センターキール式で継続。
後側アッパーアームは、モノコック付近は後方へ翼形に延長しているが、その幅は規定一杯までは使っていない模様。

前輪内側の区間のモノコック下面両端には、昨年の様に薄い水平フィンが装着されている。
こういったプレートを最初に登場させたのは、筆者は1997年のマクラーレンであったと記憶している。

前輪からの乱流対策はボーダウイング式を継続。
モノコック下部のセパレーターから左右へ分かれた気流は、
昨年まではサイドポッド前端下部を横方へ流す形状としていたが、
今回の006ではセパレーターから上方へも盛り上がり、横方向だけでなくラジエーター・インテーク内へも導く空力処理となった。

サイドポッドのエッジは全体的に丸みをおびた。



サイドプロテクター上面は、外側へやや傾斜している。
サイドプロテクターとエンジンカウル間の溝は浅め。

エンジンのエアインテークは、昨年途中から投入している5角形タイプで継続。

シェイクダウンの写真を観ると、
車体右側のエンジンカウルに有る「エンジン停止用のプル・リング」は縦向きに付けられており、
気流の向きに対して輪を出している状態で、設計者はこの辺りの気流に配慮しているのか筆者は疑問に思う。

ロープを通す穴は、昨年のマクラーレン式から、モノコック側面に穴を貫通させるタイプヘ戻った。



サイドポッド上の小型ウイングの翼端板は、シェイクダウン時の仕様ではサイドポッド側面上部と一体化している。
小型ウイングの下方にはラジエーターのアウトレットが開けられている。
フェアリング上部とサイドポッドとの隙間は狭めで、やや干渉抵抗がやや大きいかもしれない。

フェアリングの両端は、カーブさせる等の処理は施してはいない。

フェアリング上面とサイドポッド上面が合流する箇所のカーブは急で、この箇所は2001年のウイリアムズに似ている。

排気チムニーの左右の距離は離れて設置。
チムニーと排気管本体との隙間は非常に狭い。
排気トレイは丸い印象のデザインで後方へ細絞り。
昨年同様、この排気トレイの下側にリヤカウルが存在しており、この隙間には干渉抵抗が発生する筈だが、この部分のカウルは必要だろうか?

サイドポッド上面から続くリヤカウルの後端は、アッパーアームのラインと沿う様なデザイン。

後輪の側面フェンスは、上端を規定一杯には使わず、丸くカットしている。
車体を横側やや上から観ると、後輪の側面フェンスの下端は前方下がりにカットしてあり、
エンジンカウル後端の気流を切り離す様なカットと観た目のデザイン面ではマッチしていると思う。

リヤカウル上面中央の、リヤサスを収める膨らみから後方へ絞り込むラインは今年のウイリアムズと似ている。

リヤ・ウイングの下段は、後端はストレートな形状で、前端は中央が前進している。
リヤ・ウイングの上段は、フラップ両端部分が湾曲し前進した形状で、翼端流の対策を意識している。
翼端板の後方上部は、切り欠きが有る。湾曲したフラップ下面から斜め外側へ向けて気流が排出されているのかもしれない。


BAR 006 (発表値)
 全長 4465 mm
 全幅 1800 mm
 全高  950 mm
 ホイールベース 3140 mm
 エンジン ホンダ RA004E
 インジェクションシステム ホンダ PGM−FI
 トランスミッション B・A・R製 7速 セミAT
 ダンパー コニ社製
 ブレーキ アルコン社製 カーボンディスク&パッド
 ホイール BBS社製
 タイヤ ミシュラン社製

(このページの最新更新日:2004. 2. 2
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