N.Baba Laboratory Formula 1 design |
[NB-4-2005] | 分析考察 |
text by tw (2005/ 7/10) |
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2005年 6月 6日、F1ファンの個人Web Site「N.Baba Laboratory」にて、F1マシンデザイン「NB-4-2005」が公開された。 このNB-4-2005は、3D-CG作成ソフト「Shade」でデザインされたもので、 2005年度のフォーミュラー1 テクニカル・レギュレーションのボディワーク規定へ対応させた車体形状となっている。 NB-4-2005は、デザインされるにあたってCFDや風洞実験は行われていないが、 そういったレーシングカー開発の専門的な環境下にないF1マシンデザインとしては、 そのクオリティの高さは他にあまり類を見ないものとなっている。 それでは、以下はNB-4-2005の空力デザインを中心に筆者の意見及び感想を記す。 ノーズコーンはオーソドックスなサイズとなった。 ノーズ先端部分は丸みを帯びており、空力挙動が安定するかもしれない。
ノーズコーンはクラッシュテストを満たす衝撃吸収能力が求められる為、 フロントウイングは全体的に湾曲した形状となっている。 規定の抜け穴となっている中央部を路面へ接近させたのはグランドエフェクトを増す為。 翼端部分の流れを考慮した翼端板の底面プレートのデザインと合わせて、 ウイング両端の部分も若干持ち上げてある。 その翼端板は、下部が小さめのトンネル状となっており、側面にはサイドフィンが付く。 メインウイング下面のスプリッターも湾曲した形状。
ウイングステーは重量と強度面で合理的なハの字型で、 フロントサスはジオメトリー的な問題は抱えないシンプルなセンターキール式となった。
ダミーカメラは空気抵抗とならない様にアッパーアームの手前に配置。 モノコック前端部分の両隅からは、ツインキール型の前輪内側ディフレクターを備え、 ノーズ下の空間にトンネルを形成する事でフロントウイングの後流を安定させている。 このトンネル状のディフレクターの位置は、車体中心線から左右へ250mmの範囲内に収めて有るので、 ディフレクターの下端をリファレンスプレーンまで下げる事を可能にしている。 そして底面を後方へ向けて緩やかに50mm上昇させ、サイドディフレクターの底面と一体化しているのが特徴。
サイドディフレクターの底面はノコギリ状プレートとなっており、
サイドポッド前端からは、前方へ斧型プレートが延び、サイドディフレクターと接続している。 サイドポッドは全体的に丸みを帯びた凝った形状で、側面下部は狭く絞り、 上面は後方へ向けて低く落とし込み、積極的にダウンフォースの発生を狙っている。 正面からインテーク内を覗き込むと、ラジエーターのコアが観える。
チムニーは斜め外側の方向へ向けている。
車体を横から見ると、フェアリングフィンの上昇カーブは穏やかめとなっている。
フェアリングフィンから続く後輪側面のフェンスは、フォワードウイングを装着。
排気管は排気抵抗の少ない丸い形状で、排気チムニーは最小限のサイズとなっている。
サイドポッド上面のカウルは、アッパーアームのラインに沿う様にしてアームの手前でカットされている。 ロープを通す穴は、ヘッドレストの後ろで縦に貫通させているタイプ。 インダクションポッドにはミッドウイングを装着している。 ウイング幅は規定内一杯の600mmと思われ、若干ダウンフォース方向の迎え角をつけている。 サイドポッド側面のコークボトルパネルは狭く絞り込まれ、ギアボックス側面もカウリングされた。 テールライトと同じ幅のリヤクラッシャブルストラクチャーの横側では、 センターディフューザー上面とロワウイングの下面との隙間に気流を流している。 そしてテールライトの上方にはシャドーフラップを装着し、 リヤエンド全体で車体下面の気流の吸い抜きを促進するデザインとなっている。
サイドディフューザーは2005年からの新規定にのっとったシンプルな形状となった。
リヤのアッパーウイングは翼端流を考慮したタイプで、 【総括】「N.Baba Laboratory」のShadeによるF1デザインも今回のNB-4-2005で4代目となり、 いよいよ実戦的なF1マシンデザインへ熟成されてきた感がある。 全体から細部に至るまでデザインの合理性と、仕上げの丁寧さは目を見張るものがあり、 このクオリティは下位コンストラクターも見習って頂きたいくらいに思う。 NB-4-2005のデザインは、CFD及び風洞実験での通常の最適化作業を行えば、 それなりの期待が持てるレベルの空力性能を実現する可能性もあるのではないだろうか。 |
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