フェラーリ SF21

text by tw (2021. 3.11木)

2021年 3月10日、フェラーリは2021年用マシン「SF21」」を発表した。

発表会でコメントしたシャシー部門リーダーのエンリコ・カーディルによれば、
リヤにトークンを使用し、ギヤボックスとリヤサスペンションが新しいのだと云う。
それにより、いっそうリヤエンドをコンパクトに出来たとの事だが、
何故リヤエンドをコンパクトにしたいかと云うと、その理由はディフューザーとリヤウイングの効率が上がるからだ。

この新車の概観は、F1通信jp を参照。
以下、車体の概観から筆者の私見を記す。



フロントウイングは、メルセデスやレッドブルと比較して両端のフラップが寝ており、
その分、リヤのダウンフォース発生量が少ないと考えられる。
新しいノーズは、フロントウイングステーの外側からノーズ下面へ気流を取り入れるインテーク状となった。

ノーズ上面のガイドベーンは間隙フラップ式で、他チームよりも気流を外側へ向けている。
これにより、ノーズ上面の後端で発生する高速流のリフトを軽減できていそうだ。

フロントサスペンションは昨年と同じで、アッパーアームと同じ高さにタイロッドがある。
ここで空力的に問題なのが、
ホイールハウスは円形なので、アッパーアームとタイロッドを同じ高さにレイアウトすると、
ホイールハウスの中でアーム取り付け位置の高さの上限が低くなってしまうのだ。
これで、よりアッパーアームにハの字の角度がつき、フロントロールセンターが高くなってしまう。


サイドディフレクターは黒色で形状がよく判らないが、だいぶ凝った処理がなされていそうに見える。
黒色にしたのはおそらく隠したいからで、それだけの空力アイディアが投じられているのだろう。

おそらくリヤエンドのコンパクトが実現した事が理由で、サイドポッドが近代的になった。
よりいっそうサイドポッド上面の高圧流をコークボトルへと導いて、コークボトルの気流を蹴っ飛ばして加速させている。
その速い流れがディフューザーの効率を高める仕組みだ。

「SF21」は空力面は昨年よりも格段に進化している様に見える。
パワーユニットも新しい物になったそうなので、昨年程に停滞したシーズンにはならないと思う。

ドライバーは引き続きシャルル・ルクレールと、カルロス・サインツJr.のペアとなった。
(このページの最新更新日:2021. 3.11木)
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