HRT F112   text by tw  (2012. 3.07水)

2012年 3月05日(月)、HRTの2012年用マシン「F112」が公開された。
F112はコスワース製のエンジンを搭載し、ウィリアムズ製のギアボックスとKERSを搭載する。
おそらく競争相手となるマルシャはエンジンは同じコスワースでも、KERSは非搭載なので、
両者の決勝レースのラップタイムが接近している場合には、KERS有無の違いがレース結果に影響するだろう。

新車の写真と走行映像は、F1-Gate.com 等を参照。以下、概観から筆者の私見を記す。



フロントウイングの造りはラインがどこも直線的で、空力開発にあまり時間がかけられた様には思えない。
今季もノーズ先端は低く、マシンの発生ダウンフォース最大量は少なそうだ。

フットボックス下方のフロア・プレートの両脇(ステップドボトムへ移行する箇所)には少し工夫が施されているが、
ここも車体底面へ導く気流量は少ない形状だ。

モノコックが低いようで、モノコック下部のセパレーターからサイドポッドのアンダーカットへ続く“通路”は高さが窮屈となっている。
このエリアの流量を多く摂るのが近年のトレンドなのだが、HRTはノーズ先端が低いマシン・コンセプトなので、あまり通路高は必要ないのかもしれない。

もう今季の冬の合同テストは終了しており、「F112」はデモランでのチェック走行しか行えない事からか、
現時点ではサイド・ディフレクターを装着していない。おそらくディフレクターは開発途中なのではないだろうか。

サイドポッド手前の縦のベーンには縦にスリットが切られているが、気流を内側から外側へ排出するルートで、
これは何を意図しているのか筆者は解せない。

エンジン排気エンドはサイドポッド上面両脇にあり、吹きつけ効果は狙ってはいない様だ。

リヤウイングは翼端板ロワウイング支持式で、昨年まであった中央の支柱を撤去し、空気抵抗を削減している。

尚、ウィリアムズ製のギアボックスを使用する事から、リヤサスはプルロッド式となっている。


(このページの最新更新日:2012. 3.07水
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