レッドブル RB6  text by tw (2010. 2.10水)

2010年 2月10日、レッドブルの2010年用マシン、「RB6」が公開された。
写真はGPUpdate.net等を参照。 以下、RB6の概観から筆者の私見を記す。



新車「RB6」だが、昨(2009)年車と比べて特に大きな変更点は見受けられない。
デザイナーのアドリアン・ニューエイ自身も、「RB6」は昨年型のエボリューションカーだとコメントしている。
昨年車との違いは、燃料タンク容量が約2倍となった状況でのパッケージ・レイアウト見直しと、
最初から多層ディフューザーを前提としたコンセプトで開発されている事だ。



ノーズ先端の幅は広い。昨年中盤から投入した、ノーズ先端とダミーカメラを一体化したタイプが装着されている。
この幅広ノーズは、空力挙動が安定する筈だが、代わりに空気抵抗は大きいと思われる。
よって、モンツァやスパ等の高速サーキットでは細いノーズを使用するかもしれない。

現在のところ、フロントウイングは昨(2009)年同様の形状で、開幕までにアップデートされる可能性が高いと思われる。

昨年車で特徴的だったモノコック上面両端の膨らみは、前部が短くされた。
フロントサスのプッシュロッド車体側取り付け位置は高く、モノコックの膨らみの中にロッカーが入っている様だ。
これによりピッチコントローラーはロッカーの上側に置く事は難しい為、
ピッチコントローラーは立体ロッカーの下側に置く、プル・ストローク・ダンパーとなっている可能性が高い。

前輪のブレーキダクトは規定一杯までに幅広いタイプを装着している。
前輪のブレーキ・キャリパーは下側に置かれ、重心高を低くしている。



上から見て、フロントの前側アームはあまり後退角がついていない事から、ホイールベースは長いと思われる。

サイド・ディフレクターの頂点は高めで、上端の形状はギザギザの段付きとして気流進路を制御している。
ギザギザの段付きとする事で、ディフレクター前側から裏面へ回り込む気流を細かく明確にコントロールできると思われる。

サイドポッドは昨年と同じ様な形状だが、しかし燃料タンクは約2倍の容量となった事から、
サイドポッド内の空力環境は昨年よりもかなり異なっている筈だ。
もしかしたら内部には外からは見えない何らかの空力面の工夫が施されているかもしれない。



リヤ・サスペンションは、昨(2009)年に引き続きプルロッド式を継続採用している。

後ろから見て、上下アームは昨年よりも水平寄りに近い角度で、
そしてロワアームは昨(2009)年より高くされた様で、
これらは多段ディフューザーの採用に対応する為の変更かもしれない。

アッパーアームの前側アームは前方へ伸ばして車体に接続してある。(ロワアームはまだ未確認)

リヤのロワ・ウイングは前後へ湾曲している様で、
リヤエンドのデザインは多段ディフューザーの効果を最大限に発揮させる為に一新されていそうだ。

(このページの最新更新日:2010. 2.10水 Pm 10:30


RB6ミニ風洞可視映像


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