マクラーレン MP4-21   text by tw  (2006. 1.25)


2006年1月23日、マクラーレンの2006年シーズン用マシン「MP4-21」がシェイクダウンされた。
写真は、F1 Live.comや、F1Racing.jp等を参照。

以下、MP4-21の概観から筆者の私見を記す。
各部パーツの呼称については、[各パーツの名称]ページを参照。

まずノーズが幅狭く絞り込まれたのが目を引くが、MP4-21は全体的には昨(2005)年車からの発展型のマシンに見える。
ノーズコーンは、幅が細く絞り込まれ、
先端部分は薄く平らで、その後方へは気流を左右へ分ける丸みがついたデザインとなっている。
そしてノーズ下面は急カーブでスラントし、フロントウイングからの気流を迎え込んでいる。

ノーズ幅を細くすると左右へ分かれる流量は増す筈だが、ノーズ形状の見た目の違いから受ける印象程には流れに違いは現われていないかもしれない。
元々、F1マシンのフロント部分では、フロントウイング全体が気流を上方へと跳ね上げているので、
ノーズの幅を広くしようが狭くしようが、気流の多くは上方へ向かうのではないかと筆者は推察している。

フロントウイングが気流を跳ね上げ、ノーズは気流を上方と左右へ分ける事から、
ノーズの形状は、空力効率だけでなく、エアロマップに大きな影響を及ぼすと想像できる。

ノーズを細くするメリットは、ノーズ下面とウイング上面との間を通る気流の干渉抵抗が減る事が考えられると思う。
ただし、ノーズを細くする事は衝撃吸収構造としては不利なので、ノーズコーンの重量面は不利となる筈である。

尚、MP4-21のノーズ先端には小さなエア・インテークが開けられている。


[フロント・ウイング]

フロントウイング・ステーは、前から見ると、丸みの付いたハの字型で強度をつけている。
ステーを横から見ると、ノーズ先端よりもやや後方へ取り付けられ、フロントウイングへ向けて前進する形状となっている。

フロントウイングは昨年同様、メインウイング1枚+フラップ2枚の、3枚構成。
上から見ると、メインウイングの中央部を前進させる形状となっており、この辺りのデザインによって前方からの気流の吸い込み方が変わる。

正面から見ると、メインウイングは中央を低く、両端は高くしてあり、複雑な形状とはせずにスムーズなラインで湾曲させている。
メインウイング下面はスプリッター付き。

翼端板下面のプレートはトンネル状となっている。
フロントウイング下面は強い低圧となっており、ウイングの両側から気流を吸い込むので、
このトンネル形状で気流の進路を制御していると考えられる。

フロントウイング翼端板のサイド・フィンは、翼端板の前部のみ水平板を設置し、
これで圧力差や気流の道筋を制御していると思われる。


[フロント・サスペンション]

前側ロワアームの取り付け部は、モノコック下部を僅かにツイン・キールした模様。
元々この箇所はノーズ下面をトンネル状とする前輪内側ディフレクターを装着している為、
このディフレクターとモノコックの付け根の膨らみ部分を「僅かなツイン・キール」として利用している形である。

マクラーレンは2002年から、フロントサスの性能を犠牲にして空力性能を優先するコンセプトとしており、
空力面の理想からノーズ下面は高くしたく、サスのジオメトリーの理想からロワアームは低くしたい、
と云う相反する要素の妥協点を模索している。

モノコック上面は、プッシュロッドを納める為の膨らみが消え、スムーズなラインとなった。

アッパーアームのモノコック取り付け部分は、アームの前側のノーズコーン側面をフィン状に膨らまさせる事で、
全体として前後へ長い翼断面形状となった。
この部分は、フロントウイングが跳ね上げる気流の道筋を制御していると考えられる。

フロント・ブレーキダクトの開口はやや下向きとなっている。

ペダル等を調節する為のサービスホールは、モノコック上面で左右2箇所に分かれている。

(また後日追加更新予定。)

(ここまでの最新更新日:2006/ 1/25
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