元祖アッパー ボーダー ウイング スケッチ:1999年、Web掲載:2011. 9.15木 by tw

1998年にベネトンが初めてF1で(アンダー)ボーダー・ウイングを登場させた。
そしてその性能を向上すべく、翌1999年に筆者がアッパー・ボーダー・ウイングを発案しスケッチに残したスキャンを今回このページで掲載する。

99年から確か5年後の2004年ハンガリーGPであったと記憶しているが、
ジョーダンがF1で初めてサイドポッド上面手前にアッパー・ボーダー・ウイングを登場させた。

前者と後者ではウイングの上下向きが異なるが、フラット・ボトム規定下でアッパー・ボーダー・ウイングを装着しようと云う発想は共通だ。
その後、トヨタ等がジョーダン式のアッパー・ボーダー・ウイングを実戦投入している。

筆者式は車体底面への気流供給増が目的で、
ジョーダンやトヨタは、サイドポッド上面のリフト軽減と、リヤウイングへの気流進路の制御が目的であった。





左は1999年10月11日のスケッチ。

フラットボトム規定に合致させた上で、いかに車体底面へ気流を供給するかを考えて居る。


翼の向きの使い方や、前後ダブル式も考案している。




とにかく色々と考えて居た様子。

サイドポッド上部のクラッッシャブル・ストラクチャー(衝撃吸収機構)は、この当時かそれ以前から、厚みを増すアイディアを持って居た。



車体底面の端には、50mm以下のRをつけても良いとFIAが定めているので、それを十分に使って、フラットボトム規定を満たして…と云う思考が顕著に観てとれる。



燃料タンクの位置と形状は、重量配分と剛性に気を使って居る。






試せそうな事は全て試そうと云う姿勢。

3段形状のフラップ兼クラッシャブル。

モノコックにロープを通す穴の空力処理についても試行錯誤であった時期。




 このスケッチの左上のアイディアは、今日のF1にも通じるサイドポッドのアンダーカット状態となっているし、
 これと、図の下中央の案は、2009年から2010年に必須となったトリック・マルチ・ディフューザーの前後逆となっている。

 若い時期だからこそ生まれたアイディアの数々であったと想う。


(このページの最新更新日: 2011. 9.15木

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