アルピーヌ A521

text by tw (2021. 3.03水)

2021年 3月02日、ルノー改めアルピーヌの2021年用マシン、「A521」が公開された。
このマシンの概観は、F1通信jpを参照。以下、車体の概観から筆者の私見を記す。



全体的に、昨年車とあまり変化がない。
フロントウイングはアウトウォッシュよりも最大ダウンフォース量発生重視。
中央にコブの無いノーズ。

Sダクトのノーズホールに、両脇のL字カナード。これはノーズホールからの気流排出に困った気流変動が起きない様にするものだろうか。

フロントサスペンションはハイマウントウィッシュボーン、タイロッドは上下アームの中間にレイアウト。

幅広いモノコック先端。これはストローク時に車軸の前後位置が変化するのを抑制する。

モノコック上面の両側にガーニーを設け、モノコック上面と側面の気流変動に敏感にならない様にしてある。

サイドポッドは今年も流行に乗らず、上面の気流を側面へ導いてはいない。このコンセプトが吉と出るか凶と出るか。

インダクションポッドの上側エアインテークが小さいのがルノー時代からの特徴的。その下側もインテークとなっている。
リヤウイングは2本のスワンネックで保持。

あまりに昨年車と変わらないので、開幕戦までに空力のアップデートがあるかもしれない。

ドライバーはエステバン・オコンと、F1に復帰する元2回のF1チャンピオンのフェルナンド・アロンソのペアだが、
アロンソは先日、自転車で走行中、自動車との交通事故に遭っている。顎を骨折したそうだが、走りに影響がない事は無いと思われる。
(このページの最新更新日:2021. 3.03水)


(2021/ 3/16更新)
この冬のバーレーンのテストで、前から見た「A521」のインダクションポッドがやたら太っている事が確認できた。
その意味について、ツイッター上でムーンクラフト(多分)のエンジニア氏が意見を述べていて、
「A521」のそれはその内容の通りだなと思った次第だが、以下、筆者の言葉で綴り直して掲載する。

まず、今は頭部保護デバイスのヘイローがある事から、インダクションポッドを太らせてもそんなに空気抵抗にならない。
ならば、そこを太らせて冷却システムを内包し、代わりにサイドポッドのボリュームを削減する手法が可能となる。
これで、太ったインダクションポッドの影響でリヤウイング効率は低下するが、
サイドポッドがコンパクトに出来た事から、ディフューザーの効率が高まる。前者よりも後者の方が空力性能に寄与する。
と、そういうコンセプトで「A521」は設計されている様である。ムーンクラフト(多分)のエンジニア氏の意見のほぼそのままで恐縮だが。
(このページの最新更新日:2021. 3.16火)
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