ザウバー C33   text & illustration by tw  (2014. 1.27〜)


2014年 1月26日、ザウバーは2014年用マシンC33を公開した。今年度も引き続きフェラーリ製のパワーユニットを搭載する。
この新車の概観は、ザウバーの公式サイト 等を参照。
まだ写真は1枚しか公開されていない様だが、判る範囲で概観から筆者の私見を記す。


フロントノーズは新規定に対応する為に、中央部を前方へ伸ばし低くしてある、アリクイの様な形状。

フロントウイングの翼端板は、積極的に気流を前輪の外側へ導くタイプで、
今季から 150mm 狭くなったフロントウイングの規定に対応した感だ。



サイドポッドのエアインテークは高い位置にあり、冷却が課題の今年にとってチャレンジングなアプローチだ。
気温より路面温度の方が高い為、路面近くの暖かい空気を吸わない様に、エアインテークは高い位置にあった方が都合は良いが、
サイドポッド側面の絞り方など、全体の空力デザイン面で制約は発生する。

サイドポッド上面は、それほど後方へかけて落とし込んでいない。
これは今季からリヤのロワウイング(ビームウイング)が禁止されたからだ。
リヤエンドで、ディフューザー、ロワウイング、アッパーウイング(メインウイング)と気流の跳ね上げが連携できなければ、
サイドポッド上面の後方を低く落とし込む効果は薄くなる。

コークボトル部分は、どうやら下方が斜めに絞り込んである様だ。
その場合、サイドポッド前側のアンダーアットからの高速流の連携としてこうデザインされた物であると思う。



エンジンエアインテークは三角形となった。今季からターボエンジンとなるが、開口量が小さいのが気になる。

そのエアインテーク下側のセパレーターの開始部分が、ザウバーは今季もかなり後方にあるのが疑問に思う。
この場合、リヤウイングへ供給する気流が無意味に低下してしまうと筆者は考えるのだが。

リヤウイングは無難に中央2本のステーで支持される。
メインウイングの両端が下がった翼形なのが特徴だ。中央部は規定内より高いので、
よりダウンフォースの求められる低速サーキットでは、水平翼が使用されるかもしれない。

(このページのここまので最終更新日:2014/ 1/27. 19:30)



(2014. 1.30更新)

上記の、エンジン・エアインテーク下側のセパレーターの開始部分の空力学について。

左スケッチは少々大げさに描いたものだが、概要が理解できると思う。

スケッチの左側はセパレーターが前寄りにあるデザインで、スケッチ右側はセパレーターが後ろ寄りにあるデザイン。

セパレーターが前寄りにある方が、リヤウイングへ良質な気流を供給できる。

セパレーターが後ろ寄りだと、リヤウイングへの気流供給の質がピーキーになりかねない。


今季はレッドブル、フェラーリがセパレーター前寄りで、ザウバー、ウイリアムズが後ろ寄りだ。

(このページのここまので最終更新日:2014/ 1/30木)

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