2009年用 F1マシン空力デザイン by tw デザイン日:2008年 9月下旬〜11月09日
 Web公開日:2008年11月14日(金)

筆者による2009年用F1マシン空力デザインスケッチ。
これは筆者の作成した、F1マシンデザイン・テンプレートをA4紙にプリントアウトして描いた。
緑や青の線はボディワーク規定の範囲線を示す。

ダウンフォースやリフトを発生するパーツは青、
気流を横方向へ誘導するパーツは紫、
翼端板の役割を果たすパーツはオレンジ、
サスペンションのピロボールは黄色 (ドライブシャフト含む)、
ドライバーの頭部を保護するプロテクターはピンク、
その他の部分は水色で着色した。

それでは、画面のスクロールバーで上下左右へスクロールしてご覧ください。
(空力デザインの説明文はこの図の下にあります。)








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2009年の規定では、フロントウイング区間より後方からリヤウイングまでの区間では、
ボディワークにフロントウイングの跳ね上げた気流を水平へと戻す翼状の空力パーツを着用できない様なので、
フロントウイング区間のノーズコーンに跳ね上げ制御翼(オレンジ色)を供えた。
これは2009年の必須デバイスとなる可能性が高いと思う。

フロントウイング下側の後部では、前輪の巻き起こす乱流を外側へ飛ばす為のスプリッターを備えた。
これは翼端板で支持する様に設計した。



ノーズ・ホールの手法は今(2008)年からフェラーリが採用しているが、
フェラーリよりも筆者の方が3年程先に本サイト上で公開している。

ノーズ・ホールのアイデアの作用は、フロントウイング上側の高圧流をノーズの中の通路へ流し、
モノコック下側の気流の状態を阻害させない様にする為。
ノーズ・ホール式とすると、フロントウイング上側の高圧流がモノコック下面に当たる事を解消できる為、
ノーズ先端の位置を高くする事が出来る。

ノーズ・ホール式とすると前方衝撃吸収性能が低下するが、
一方で、ノーズ先端が低い物よりも、ノーズ先端が高い物の方が衝撃吸収性能に優れている。

モノコック下のダミープレートは、ウエイトを内包する為に厚くした。



フロントサスは現F1マシンのスタンダードであるゼロキール式とした。
これはサスペンションの機能をほぼ完全に無視した、空力最優先のコンセプトである。
それ程に現代F1では空力性能が車輌性能の比重を占めている。

モノコック側のタイロッドとプッシュロッド取り付け部分には、小さなカウルを着けて気流を乱さない様にした。
これは近年のルノーも同じ手法となっている。



各メディアの記事に拠れば来(2009)年からディフレクターの装着が一切禁止されるそうだが、
「グランプリ特集」誌2008年6月号の記事の図面からすると、ディフレクターを装着できる範囲は残っている。
その為、今回は一応ディフレクター装着バージョンで空力デザインを行った。

サイド ディフレクター上縁はフェラーリに習ってギザギザの形状としたが、
これはサイド ディフレクター裏側へ巻き込む気流進路を明確な状態にする為。

もしディフレクターの装着を一切禁止にされる規定であれば、
サイドポッドのデザインは一からやり直す事になる。
具体的には、側面下部をあまり狭くは絞れなくなる。
それは前輪からの乱流をサイドポッド側面全域で流れを絞って整流する必要があるからだ。

サイドポッド上面の内側を低くした理由は、リヤウイングへ少しでも多くの気流を供給する為。
外側を高くした理由は、前輪の巻き起こした乱流をサイドポッドで絞る事で整流する為。

サイドプロテクターは、気流を左右へ分ける形状として、上面でリフトを発生させない様にした。



エンジンの排気管は、過去十年の経験から筆者の手が勝手に上方排気を描いてしまっているが、
来(2009)年の規定ではサイドポッド内部のリヤエンドから排出しなければならないかもしれない。
しかし単にそうすれば良いだけの話であって、
これは熱の問題も含めても比較的簡単に設計変更できる部分だと思われるので今回は此のまま掲載して置く。

リヤウイングのアッパーウイング後方の翼端板を切り欠いている理由は、
アッパーウイング下面の気流を切り欠き部分から外側へ排出し、ダウンフォース向上に寄与する為。
この切り欠き部分では、アッパーウイングが作り出す激しい翼端渦が外側へ向けて押し出されているので、
この為に見えない空間が生まれ、この切り欠き部分から外側へアッパーウイング下面の気流を排出する事が出来る。

リヤウイングのロワウイングは、規定で許されると思われる中央区間を後方へ高く延長し、
センター ディフューザー内からの気流吸い込みを促進させた。

尚、リヤ・クラッシャブル ストラクチャー バーの上面は三角断面として、
センター ディフューザーから排出される気流を、リヤ・クラッシャブル ストラクチャー バーの上側へ誘導させた。
これによりロワウイング中央部もウイングとして機能する。


このページの最終更新日: 2008.11.11
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