2012年用 F1マシン空力デザイン by tw

デザイン日:2012. 1.12木〜1.15日
 Web公開日:2012. 1.15日
筆者による今(2012)年仕様のF1マシン空力デザイン スケッチ。
これは筆者の作成した、F1マシン デザイン・テンプレートをプリントアウトして描いてPCへスキャンした。
緑や青の線はボディワーク規定の範囲線を示す。(クリックすると別ウィンドウで大きい図を表示できます。

今年のマシン設計でF1の全ての空力デザイナーが知恵を振り絞っているテーマは、規制された中でのエンジン排気流の活用法だろう。
筆者は今年のテクニカル・レギュレーションを殆ど知らない状態なので規定違反かもしれないが一応掲載しておく。

筆者が思いついた方法は、サイドポッド内のラジエーターの排熱を全てエンジンカウルの「大砲」から排出させ、その部分にエンジンの排気を吹きつける事だ。



これにより、コースのストレート区間をフル(オン)・スロットルで走り抜ける際には、
ラジエーターの排熱は、高速のエンジン排気流に(気体には粘性がある為、)引っ張られてリヤウイング下面へ気流を“多く供給”する。

ウイングがダウンフォースとドラッグ(=空気抵抗)を発生する仕組みは、主に圧力差によるものだ。
空気は、圧力の高い所から圧力の低い所へ流れようとする為、
ウイング下面から後方へかけての気圧が低くなる形状とする事で、ダウンフォースを発生させている。

今回筆者が狙う方法は、オフ・スロットル時に“気流を吸い出していたリヤウイングの下面から後方へ”かけて、
オン・スロットルで気流を“多く供給”し、誘導抵抗の軽減を狙う物だ。

このシステムとする為に、リヤサスの上下ウィッシュボーンは、側面図で判る通り、高熱の排気管を避ける位置にレイアウトした。



他に、今回のデザインのポイントはいくつかあるが、まずはフロントのサス・ユニット部分のモノコック断面の工夫。
規定内でモノコック断面の幅をあえて広げる事で、規定上必要なスペースを稼ぎ、
これでモノコック下角度を斜めにカットする(まだ昨年までの規定通りなら)形状とでき、空力性能に寄与する。

今(2012)年の新規定では、どうやらキャノピーを着けられるスペースがあるかもしれない様なので、
規定の空間内でキャノピーを装着し、その高さに合わせてドライバーの頭部の高さを下げた。
これにより視認性が低下する為、サイドベーンは透明なパーツを組み込んだ。

今回の車輌に適応する、フロント・サスの基本構造のページ と 、リヤ・サスの基本構造のページ


(このページの最終更新日: 2012. 1.15日)
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