ダブル ロッカーのサス リンク機構

text & illustration by tw (2022/ 3/05土)

1998年、アロウズがダブル ロッカー式のリンク機構を実戦投入。



上の筆者のスケッチはリヤサス上面で概念図。(フロント サスは観た記憶が無い。) 大体こうでしたよ、という絵。
(ちなみに、CGで左右反転コピー&ペースト は したが、紙へ定規は使っていない。手描き。)

1つ目のロッカーは、ダンパーとリンクし、セカンド ロッカーへも接続する。
2つ目のロッカーに縦置きのトーション バー スプリングを仕込でいて、重量物であるバネを車体前方へと移動できたが、
これで車体の慣性モーメントが軽減されていたかは謎で、もう1つづつのロッカーとロッドの分の質量は増すデメリットがある。

プッシュ ロッドからバネとダンパーへのレバー比を自由にできるという要素は便利そうなアイテム。
セカンド ロッカーを交換するだけで、バネレートを変更できたかもしれない。
ただしリンクの数が増すので、動きのリニア性には、やや欠ける。
ロッカーを観ると、几帳面に全てのリンクがほぼ90度に設計してあった。

このマシンは、F1で初めてジョン バーナードが研究したカーボン ギヤボックス ケーシングが採用されていた。
2005年末にBARがカーボン ギヤボックス ケーシングで成功しF1で表彰されていたかもしれないが、
実際はバーナードの方が 7年も前に モノにしていて、しかし各方面から無視されている理由は何なのだろう??

1998年のアロウズはトラブルが頻発していたが、ケーシングの問題ではなく、トランスミッションの不具合が本当の問題であった様だ。

このクルマはコーナーの立ち上がり、トラクションが良かった記憶がある。
天才ジョン バーナード。私は個人的に、クルマの構造と材質に関して彼に敵う人はいなかったと思う。

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