フロントウイングも特に工夫は見当たらない。
フラップ両端は、気流を積極的に前輪の外側へ向かわせ様という処理ではなさそうだ。
今(2010年)シーズンからレース中の給油が禁止された事から、レース序盤の重い状態でのブレーキングの負担が厳しくなる。
その事からか、ブレーキダクトは大きめの物が装着されている。
タイロッドはアッパーアームと同じ高さにあるが、
ロッドは前後に長い翼端断面になってはおらず、徹底した空力開発は成されていない安価なマシンである事が想像できる。
サイド・ディフレクター上縁はギザギザの段差付き。
ディフレクター上縁を斜めにスムーズな形状で高さを低めてゆくよりも、
ギザギザの段差付きの方が、明確な気流進路を実現できるのかもしれない。
サイドポッドはトレンドの深いアンダーカット。
これにより、サイドポッド側面の気圧と、車体底面へ左右から影響する気流を、都合の良い状態へ目指す事が出来る。
これはもう現代のフォーミュラーマシンではほぼ常識の空力手法となっている感じだ。
エンジンカウルにシャークフィンは採用されず、カウルは規定で定められた最小面積とされている。
エンジンの排気管エンドの位置は、車体内側寄りでやや後方にある。
他のコスワース勢は、排気管エンドが外寄りにあるが、HRTは排気管の設計と、
サイドポッド内部の空力デザインが異なる様だ。
HRTスペック | |
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車体最大幅 | 1800mm |
ホイールベース | 約3200mm (*あくまで発表値) |
全長 | 約4800mm |
全高 | 950mm |
クラッチ | ザックス製 |
ギアボックス | Xtrac製 |
ホイール | OZ製 |
ダンパー | ザックス製 |
ブレーキ・ ディスク&キャリパー&パッド | ブレンボ製 |
冷却システム(ラジエータ、熱交換器) | マーストン製 |
コックピット計装 | MES製 |
シートベルト | サベルト製 |
消火システム | FEV製 |
バッテリー | ユアサ製 |
燃料タンク | プレミア製 |
エンジン | |
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名称 | コスワース CA2010 |
型式 | 4ストローク・レシプロピストン、自然吸気、V型8気筒、バンク角90度 |
排気量 | 2,400cc |
最高回転数 | 規定により 18,000rpm以内 |
重量 | 規定により 95kg以上 |
シリンダー内径 | 規定により 98mm未満 |
シリンダー | ブロック&ヘッド&ピストン 鋳造アルミニウム合金 |
クランクシャフト | スチール |
燃料及び潤滑油 | BP製 |
燃料噴射 | マグネッティ マレリ製 100バール加圧インジェクター |
点火プラグ | チャンピオン製 |
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