レッドブルの2016年用マシン、「RB12」が、2016年 2月22日に公開された。
パワーユニットは引き続きルノーを使用するが、名称はタグホイヤーとなる。
RB12の写真は F1通信 等を参照。まだ観られる写真は少ないが、以下、車体の概観から筆者の私見を記す。
そして他車が現在あまり使用していないデバイスでRB12が使っているものとして、
フットボックス下方に装着した、単体ではリフトを生む方向のウイングが確認できる。
これはノーズ下の気流を、車体下面のリファレスプレーンへ流し込む働きは確実にあり、
翼端で発生する渦流を何かに利用している可能性がある。そうでなければ翼端板を装着するのではないだろうか?
インダクションポッド横のカメラは少し上方へ移動し、メルセデスの様な大きいサイズを装着している。
片方だけカメラを装着する場合に、カメラを大きくする意味は筆者は解らない。
サイドプロテクター側面はなだらかに肉盛りされている。
これは低めに設置されたリヤビューミラー後方の乱流を整流する役割があるだろう。
リヤウイングステーはネワンネックに見える。
排気管は、ウェイストゲートを通過した専用の排気管も追加されている筈だ。
全体として、RB12は昨年とあまり変わらないマイナーアップデートなマシンに見える。
パワーユニットの性能差が理由となって、トロロッソと順位が逆転するサーキットもあるかもしれない。
現在の規制され過ぎたボディワーク規定では、空力性能でパワーユニットの差を埋めるのはなかなか難しいところだろう。
ドライバーは引き続き、ダニエル・リカルドとダニエル・クビアトが務める。
現在、第8戦のバクーを終えた後だが、これまでのところレッドブルR12の空力性能は非常に優れてる事が証明されている。
開幕前は観られた写真点数が少なかったとは云え、筆者の診る目が未熟であった事を認めよう。
さて、他車と比べてRB12で特徴的なのはサイドプロテクターの後ろ側だ。(*各パーツの名称一覧はこちらを参照。)
頂点から後方へ急に落とし込む形状となっており、気流は後ろで左右から周り込む。(筆者による推察イメージ)
赤色の気流線は高速流を、青色の気流線は低速流を示す。
ヘッドレストとサイドプロテクターの間にはクラシックな溝がある。
この溝の深さは、ピット等でサイドプロテクターを取り外した状態のサバイバルセルを観た時に判った。
ドライバーのヘルメットの周りをすり抜けた気流は、この溝を通って、サイドプロテクター後部へ空気を供給する。
この流れ方を補助するのが、インダクションポッド下部のセパレーターが左右へ振り分ける気流だ。
この連携プレーが、このエリアでの速過ぎず遅過ぎずのエコな無理のない流速を達成しているかもしれない。
「各パーツの名称一覧」
空気は圧力の高い所から低い所へ流れるので、アンダーパネルの手前で圧力を高めればその気流を吸い込んでくれる訳だ。
ベルヌーイの定理上、車体底面を通過する気流量が多い程、流速が高まり圧力が低下する。それを促進する目的のフラップがこれだ。
先日のマレーシアGPの映像から、RB12のこれは間隙フラップとなっている事を確認できた。
間隙フラップとすると、このフラップ上面での流れの剥離を防止して、フットボックス下とフラップの空間の空気を綺麗に流す事ができるだろう。
尚、おそらくこのフラップはボディワークの中ではさほど空気抵抗になっていないと予測できる。
空気抵抗の内訳は、構造物の前側の高圧と、後側の低圧と、構造物との摩擦抵抗から成る。
もしフラップの後方に何も物が無ければ、後側の低圧が大きな空気抵抗となるが、
このフラップの場合、後方にはモノコックのセパレーターが存在するので、フラップ後部の低圧による空気抵抗は少なくて済む筈だ。
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