レッドブル RB16B

text by tw (2021. 2.24水)

レッドブルの2021年用マシン、「RB16B」は、2021年 2月23日に公開された。
写真は F1通信走行テストの様子 を参照。以下、車体の概観から筆者の私見を記す。



フロントの空力的な形状は昨年のマシンを踏襲している様子。
だがサスペンションが異なるかもしれない。前から見た写真では、ステアリングロッドがプッシュロッドの後ろにある様に見えるのだ。
この場合、ステアリングロッドは後ろ引きとなり、重量配分面でY軸とZ軸の慣性モーメントを軽減できる。
そしてサスの内部ユニットのレイアウト環境も異なる状態となる。


サイドディフレクター後部と、その後ろの縦のベーンを繋ぐ水平スロットはメルセデスが先鞭をつけた形状。

サイドポッドのアンダーカットの位置のアンダーパネル両端には、気流を外へ向ける小さなフィンを5枚装着。
これは今年のテクニカルレギュレーションで、アンダーパネルを後方へかけて狭くしなくてはならないので、その対策と考えられる。

レッドブルのサイドポッド側面は、最小半径 75R の規定の中で非常に立体的で工夫を凝らしてあるが、今年はコークボトルが更に狭く絞り込まれた。
これもアンダーパネルのレギュ対策だ。


リヤウイングステーは中央1本で、メインの排気管を跨ぐ箇所で2本に分かれる。
そして、このステーにリヤサスペンションの後ろ側アッパーアームを接続している模様。

尚、リヤウイングステーにアッパーアームを取り付ける手法は、筆者の方が先に発案し掲載してある。
筆者による、ハイマウントリヤサスペンションのアイデア(Web掲載日:2019. 5.27月)



RB16Bのリヤのロワアームは、おそらくドライブシャフトと同じ高さで、
昨(2020)年は、前側がウィッシュボーンで、後ろ側がトラックロッド、
今(2021)年は、前側がトラックロッドで、後ろ側がウィッシュボーンとなっている様だ。
この変更は、サスペンションの力学よりも空力的な意味合いが強そうだ。

これでリヤサスアームは、上下共、大きくハの字に降りる形となった。ロールセンターは無視して空力優先の設計だ。

排気管はメインもウエイストゲートバルブも斜め上方へ向けてあり、リヤウイング下方へ排気流を吹き付けている。

トークンをリヤに使ってきたレッドブルだが、アグレッシブに狭く絞り込んだリヤエンドはいかにも空力的に効いていそうだ。
後日発表のメルセデス次第だが、今年のチャンピオンシップは面白くなるかも(?)しれない。

ドライバーは、マックス・フェルスタッペンと、新加入のセルジオ・ペレスのペアだ。

(このページのここまでの最終更新日:2021/ 2/24水)
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