名称はEJ15と新車を装ってあるが、 実際は昨年のEJ14シャーシにトヨタエンジンを搭載しただけのバージョンであると思われる。 モノコックの概観は昨年とほとんど同じままの様だが、
といった理由から、一応モノコックについてはEJ15と呼んでもいいのかもしれない。 他にEJ14からEJ15への主な変更箇所は、 エンジンにギアボックスを接合する部分の形状対応、 エンジン変更に伴う制御システムの電気系統の対応、 ボディワークを今(2005)年度版レギュレーションに対応させる事、 の3つだと思われる。 新規定に対応させたボディワークは、昨(2004)年シーズン終了後のテスト走行から既に装着していた。 EJ15の空力デザインについて。 今年からの新規定に対応させてあるだけで、他チームとはかなり差が広がったと思う。 新規定用に空力開発された跡は観えないが、 車体全体のセットアップをする為に必要となるエアロマップは、きちんと風洞で採って有るのだろうか? 戦う為の最低限必要な準備がなければ、参戦していてもただ走るだけとなってしまう。 昨年のフロントウイングをそのまま、規定を満たす為50mm高くした様に見えるが、 リヤのダウンフォース発生量を回復させていないのならば、 前後配分を変える意味も無いので、とりあえず今はこのままでも良いのかもしれない。 ノーズコーンの両脇に取り付けるダミーカメラは、 その後方のフロントサスのアッパーアームよりもやや高い位置にある。 サイドポッド手前の「アッパー・ボーダー・ウイング」は、昨(2004)年のハンガリーGP頃から使っている。 F1マシンのサイドポッド上面の前端は気流が速い様だが、それはリフトを発生すると思われる。 その対策で、アッパー・ボーダー・ウイング上面の遅い気流を、サイドポッド上面に流しているのかもしれない。 サイドポッド側面には、気流の道筋をつける小さなフィンが付けられている。 エンジンカウルの後端は縦に切り取ってあり、内部エアを排出しているが、 形状的にはただ切っただけという感じで、上部は肉厚のままとなってしまっている。 ラジエーターチムニーや、小型ウイング、 サイドポッド上面から続くフェアリングフィン等は昨シーズンからの形状。 ディフューザー上端に大きな壁の様なガーニーが付いている模様で、 後ろから見るとサイドディフューザーのシルエットが昨年のままに見える。 ・ エンジンは良いと思われるが、EJ15の速さはチームのやる気に大きく左右されると思う。 (ここまでの最終更新日:2005/ 2/ 9)
[Rd.1 オーストラリアGP (メルボルン市街地) 3月 4日(金曜)の写真から] フロント・ロワアームの後ろ側は、モノコックから小さなキールを下方へ出して接続しているのが確認できた。 前輪内側のディフレクターは前後2段式構成となっているかもしれない。 ミラーは上下にひさし付き。これは気流の制御にも関係する。 冬のテストから、リヤウイング翼端板の後縁の縦のラインは、他チームとは違い、上側を後方へ延ばしてあるのが特徴的。 [Rd.2 マレーシアGP (セパン) 3月18日(金曜)〜19日(土曜)の写真から] 前輪内側ディフレクターとボーダーウイングとの中間位置に、新たなディフレクターを追加した。 この中間ディフレクターは下面プレート付きで、周辺の複雑な形状の状況下でデザインされている。 ボーダーウイング前縁内側にも小さなプレートが付けられている。 中間ディフクレターの上方の、コクピット側面には三角形の水平プレートが付けられた。 ボーダーウイングとサイドポッド前端との隙間は狭めとなっている。 ジョーダンのボーダーウイングは斧の前進部分が控えめとなっている。 排熱処置として、コークパネル部の下部のカウルを一部取り払う場合があった。 フロアプレートの後輪手前を低圧にするベーンは引き続き使用している。 ディフューザーは、冬のテスト時とは異なる新設計の物を装着しているかもしれない。 |
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