ジョーダン 15B   text by tw (2005/ 6/25)


2005年第9戦アメリカGPを終えて5日後の6月24日(金曜)、
スペインのカタロニア・サーキットで新車「15B」のテスト走行が開始された。
このマシンは順調にシェイクダウンが済めば、来週のフランスGPから実戦投入されるものと思われる。
以下、写真から判る特徴等を記す。



ノーズはフロントウイングの気流を迎える様にして下がったタイプ。
このノーズコーンは、前戦のアメリカGPから先行投入されていた物かもしれない。

フロントウイング中央部を路面へ近づける為の湾曲度は控えめ。
この形状だと空力挙動は穏やかかもしれないが、ダウンフォースは少ない筈である。

翼端板の下面プレートの前端はトンネルではないフラットな形状。
翼端板のサイドフィンは無い。



サイドポッド手前では、アッパーボーダーウイングが廃止され、トヨタの様なディフレクトフラップとなった。

アンダー側のボーダーウイングも正確に表現すれば廃止され、サイドポッド両端から前方に延びるプレートとなった。
ウイリアムズ同様、この前進プレートは、プレート内側部分がやや厚みを持ち、端にRをつけてあり、
デザイナーがこの区域を活用して車体下面への流れを作り出そうとする狙いが見える。

尚、フラットボトム規定下でも、形状の端の部分では半径50mm以内でRをつける事が許されている。

そして、上側のディフレクトフラップと、下側の前進プレートとの中間に、
ミドルボーダーカナードが備えられている事が15Bの特徴。
このカナードは微妙にカーブしたデザインで、上側ディフレクトフラップの翼端板と一体型となっている。
この部分は、サイドポッド側面からフェアリングフィンへの流れ方に影響があると思われる。

こういったサイドポッドの空力デザインは、前輪内側のディフレクターとワンセットとなって機能している筈である。



サイドポッドの、チムニーの手前部分には小さなバルジが見える。

サイドポッド上面のチムニーの内側区間では、何本かシャークルーバーが開いている。

チムニーの排出口は大きめ。排出口の向きは斜め外へ向けてある。

サイドポッド上の小型ウイングは、ルノーの様にセンター1本支柱で
フェアリングフィン上面に立てているので、ウイングの内側にも翼端板が有る。

フェアリングフィンは、昨年からのフェラーリの様に上から見ると傾斜している。
これは車体内側方向へ気流を寄せ、フェアリングフィンの両端から下面へ巻き込む渦流を弱める為と思われる。

後輪手前の誘導ベーンを使用。これは立体的にカーブしており、EJ15の時よりも洗練された形状。

フェアリングフィンから続く後輪内側フェンスは、上端の形状が角張っている。



ロープを通す部分は、中央のステー1本で作り出すマクラーレン式。
ロールフープウイングは未使用。

排気管はチムニーで覆わない剥き出しの状態となっている。
最近は車体空力の為に排気管を中央へ寄せるのが流行だが、15Bは無理して寄せてはいない。
排気管の後方へは、高熱の排気の道筋を作り出すトレイが延びている。

車体を横から見た時の、エンジンカウル部の最小面積の規定があるが、
15Bも流行通りに、後輪内側のフェンスで満たせる部分をカットしてある。
これはエンジンカウルの余計な表面抵抗を減らしたい為。

リヤウイング翼端板はスリット入り。
翼端板は、上端が後方まで延びるタイプを継続。

(このページの最新更新日:2005/ 6/25

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