昨(2005)年にジョーダンチームはミッドランド・グループに買収され、 今シーズン(2006年)からは[MF1]名での参戦となる。 MF1チームの2006年シーズン用マシン「M16」は2006年 2月 3日に発表された。 写真は、F1Racing.jpや、F1 Live.com等で参照。
MF1チームは昨年に引き続き、エンジンはトヨタ、タイヤはブリヂストンを使用する。
以下、MF1の概観から筆者の私見を記す。 [フロントの空力] ノーズコーン先端は幅広で薄め。先端には小さなエアインテークが開いている。 ノーズ下面はスラントしてフロントウイングからの気流を迎え込んでいる。 フロントウイング・ステーはハの字型として強度をつけている。
フロントウイングは昨年終盤に投入した2階建て式。
メインウイングは昨年同様、中央部を結局的に路面へ近づける形状ではない。
翼端板下面は、トンネルではなく平板プレート。
モノコック上面前端の両端には、翼断面の小さな安定板が横へ伸びている。
[フロント・サスペンション] モノコック底部とロワアームには距離があるのでキールが存在する筈だが、 現時点で筆者が確認できた写真からはキールの形式は不明。 車体側からタイヤ側へアッパーアームの下がる角度は大きめなので、フロントのロールセンターは高い。 モノコック付近では、アッパーアームとステアリングロッドは翼断面のカウルに包まれている。
[サイドポッド] フロント区間からサイドポッドへかけては昨年同様、 前輪内側のディフレクターとモノコック下部のボーダープレート、 そしてサイドポッド両端から前方へ延びた斧型ボーダープレートで構成されている。
サイドポッドの最大高は昨年よりもやや高くされた。
サイドポッド後部の高さが同じであれば、サイドポッドの頂点が高い方が深い凹空間を作り出せる。 ただし、この凹空間が深い程にリヤ・ウイングへの流速は低下する。 リヤ・ウイング単体で発生するダウンフォースだけを考慮するならばこの凹空間は浅い方が良い筈だが、 現在のF1マシンではリヤ・ウイングを車体全体のフラップして機能させている事から深い凹空間としていると考えられる。 サイドポッド側面前部のミドル・カナードのデザインは洗練され、斜め外側へ向ける形で気流へ対応している。 このカナードの迎角と翼端板は控えめなサイズ。
サイドポッド側面の下部は、僅かに幅を狭めてある。
サイドポッド上方のミニウイングは間隙フラップ式で、両側に翼端板を備え、
後輪手前の縦のベーンは上部が内側へ湾曲して気流を迎える形状。
[コクピットからリヤボディへ] ロープを通す穴は、インダクションポッドのシュノケール型インテークの下側に作り出すタイプ。 ミッドウイングは使用していない。
エンジンカウルの側面は昨年同様、後部を急に絞り込んでいる。
エンジンの排気管は外側へ向かい、ラジエーター・チムニーの後方から排気している。
[リヤエンド] サイド・ディフューザーの上方には、アーチ側のフラップが設置されている模様。
リヤ・ウイングは、上段ウイングから2本のステーで、ギアボックス後端に装着される衝撃吸収構造にマウントされている。 リヤ・ウイングの翼端板は、昨年の上部が後退した形から一般的な形状となった。
(ここまでの最新更新日:2006. 2. 5)
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