2009年 3月01日、フォース インディアの2009年用マシン、「VJM02」が公開された。 写真は、GPUpdate.net等を参照。以下、概観から筆者の私見を記す。 フロントウイングのメインウイングは、規定で規制されている中央500mm部分は低く、 規制外となっている外側はやや高く持ち上げられている。 これは左右から吸い込んでしまう気流を考慮し、ウイングの両端を翼端板より高くする為だと思われるが、 それならばウイングを3D形状として、両端部分だけを高くするデザインにすれば良い事であって、 メインウイング全体を高くしなければならない理由は特に考えられない。 VJM02はメインウイング全体を高くした事で、フロントウイングのグランドエフェクト効果が低下してしまっている。 空力開発が進めば、両端部分だけを高くした新型ウイングが投入されるかもしれない。 現段階では上段フラップは装着していないが、これも空力開発が進むにつれ恐らくは装着されるだろう。
翼端板の底面プレートはトンネル型で、フロントウイングの左右から吸い込む気流の上下進路を制御している。 フロントの空力デザインは、モノコックのフットボックスをかなり高くし、ノーズ先端もかなり高くした。 これにより、大量の気流を車体底面へ供給する事が出来る。 その対価として、フロントサスが極端にモノコックから下さがりの設計となっており、 フロントのロールセンターが異常に高くなってしまっている。 これだけ各パーツが高い位置にあると、重心が高くなってしまうデメリットは無視できない範囲にあるだろう。 ドライバーの頭部もかなり高い位置にある。
タイロッドはアッパーアームよりやや下側に取り付けられた。 フォースインディアは昨年度からミラーの取り付けステーを空力パーツとして活用しているが、 今年は更に有効なアイデアを投入してきた。 今季からフロントウイングが跳ね上げた気流を水平へ戻すカナードが事実上禁止された筈だったが、 VJM02はミラーステーでカナードを実現した。これは評価できる良いアイデアだと思う。 サイドポッドは全体的に微妙なうねりを見せる。 前側部分では緩やかにアンダーカットされ、空いたスペースに縦のベーンを装着している。 後部では上側と下側の気流を分ける形状となっており、 こういった処理で車体底面が左右から吸い込んでしまう気流と、 サイドポッド上面の高圧流がコークボトルへ流れ込んでしまう弊害の対応を実現している。 (このページの最新更新日:2009. 3.01)
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