現在のF1は、タイヤは1社独占供給のワンメイクの規定となっている。
昨(2010)年をもってブリヂストン社がF1から撤退した事から、
今季からイタリアのピレリ社が、1991年以来、20年ぶりにF1へ復帰し、タイヤを製造・供給する。
フォースインディアは、今季最初のテストを昨年型マシンと新ピレリタイヤの組み合わせで走行しており、
早期の新車テスト開始よりも、両社のタイヤの違いのデータを採る方を選択した。
尚、このチームのチーフ・デザイナーにあたるポジションは、日本人エンジニアの羽下晃生(はが・あきお)氏が務めている。
肩書きはプロジェクト・リーダー(PL)とされているが、実際にマシンのコンセプトを決めて設計を行っているのが彼である。
ただし現在のフォースインディアには2人のPLが居る二班体制で、自分のコンセプトによるマシンが実戦投入されるのは隔年となっている。
筆者の数え方が間違っていなければ、今季のマシンは羽下氏の番であると思う。 おそらく。 たぶん。
羽下氏はイギリスでトムスのF3マシン開発を経験した後、1998年にF1チームのジョーダン・無限HONDAへ加入した。
その後ジョーダンチームは売却され、2006年にミッドランドとなり、2007年にはスパイカーとなり、2008年からフォース インディアとなっている。
尚フォースインディアは先日の2月4日、2012年までマクラーレンとメルセデスとの技術パートナーシップを延長した事を発表している。
そして2011年 2月 8日(火)、フォース インディアの2011年用マシン「VJM04」が、チームの Official Webサイトにて公開されたが、
サーバーが全く繋がらない…。ので後日更新予定。
ESPN F1 ニュース速報 Liveで新車「VJM04」の写真を入手できた。以下、概観から筆者の私見を記す。
フロントウイング下面のスプリッターは、片側3枚の、合計6枚+エンドプレートとなっている。
ノーズ下面はストレートな形状ではなく、意図的な下方への膨らみがある。
膨らみの後部はまた上方へカーブし、そして斜め下の角度でモノコック下面のラインへ戻っている。
膨らみの目的は、その部分の流速を高めて気圧を少し低下させる事によって、
フロントウイング中央部が乱した気流を整える効果があるのかもしれない。
サイドポッド両端前側の縦のベーンは、
メインのベーンの下部が内側へカーブしているので、その部分で生まれた外側の空間に、背の低いベーンをもう1枚追加してある。
これで細かく気流進路を制御でき、有効なアイテムであると思われる為、真似する他チームもあるかもしれない。
アンダーカットは深く、滑らかな立体形状で、いかにも空気の流れが良さそうだ。
エンジン・エアインテークは、昨年のメルセデス型となったが、空力効率面で筆者はこの手法に懐疑的だ。
リヤ・サスペンションはマクラーレン同様、プルロッド式となった。
材質としてカーボンは引っ張り方向の力に弱いので、プルロッドは金属製とされている様だ。
リヤサスの上下アームは、前方へ長く延びている。と云う事はエンジン搭載位置は前寄りなのかもしれない。
筆者には疑問に感じる部分が無くはないものの、
マシンは全体的にトレンドに乗っており、着実に開発された雰囲気が見てとれる。
エンジンが現在最強と言われているメルセデスを搭載している事もあり、
今季も順調に上位チームとの差を縮めてゆけそうな感じはあると思う。
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