2015年 1月21日、フォース インディアの2015年用マシン「VJM08」が発表された。
マシンの写真は、F1通信 等を参照。 それでは以下、車体の概観から筆者の私見を記す。
フロントウイングは4枚構成+カスケードの様だ。
4枚のウイングと融合している筈の翼端板は4枚構成で、多くの気流を前輪の外側へ飛ばしている。
フロントウイングのステーは、メインウイング前付近まで延びた強度がしっかりしたタイプとされた。
前輪ブレーキダクトは四角く、下側に垂直フィン着きで、細かく気流の状態を管理している。
モノコック上面のサービスホールは5つと、少し複雑な構図。
フロントサスは必要以上にハの字マウントが強い様に見える事が気になる。
昨年のフェラーリの様に、ビークルダイナミクスに悪影響は出ないのだろうか?
メリットとしては、車体下部の気流をクリーンにできる事が挙げられるだろうが、
この程度ならビークルダイナミクスの方が重要では…?
ノーズのカメラはアッパーアームの高さにある。
ラジエーターインテークは縦が低い三角形で、サイドポッド側面下部へ多く気流を供給するデザインだ。
これは昨年筆者が本サイトに掲載しているデザインと同様。
ターニングベーンは、クラシックな(?)上下に立体な形状とされた。
これも昨年本サイトに掲載しているデザイン筆者の案と同様だが、
VJM08は間隙タイプとされた様で、そして外側は両端の縦のベーンと融合した新しいアイディアとなっている!
サイドポッド両端手前にある縦のベーンは昨年のメルセデス式で、
上縁が前後2分割され、前側が垂直フィン、後ろ側が内側へカーブしてサイドポッド上側の横方向ベーンへと変わっている。
サイドポッド上面前側は厚みがあり、この部分で気流が絞られ流速が増すが、
横方向のベーンによって上方向の大気とシャットアウトしてリフトを防いでいる。
サイドポッド側面のコークボトルラインは下部を狭くした形状で、側面と上面の流れを明確にしている。
サイドポッド上面の上にリヤサスのアッパーアームがあり、ロワアームはやや高めで空力に寄与している。
サイドプロテクター上面後方のラインは、ほぼ平行で、リヤの区間で低くされた。この意図はよく解せない。
フォースインディアが昨年もこのラインが高いコンセプトで、他車と考え方が異なる様だ。
インダクションポッドは、エンジンエアインテークの後方上側にオイルクーラーと見られるインテークがある。
そしてリヤには、ロワウイングらしき物が見える(!)。
昨年のウイリアムズとトロロッソはディフューザー上側の低い位置にロワウイングがあったが、VJM08では高い位置に見える。
規定の抜け道を見つけたのだろうか?
リヤクラッシャブルストラクチャーの上側にはミニウイングを装着し、排気流を吸い出している。
VJM08は全体として独自性を保ちつつ、いくつかの新しいアイディアも投入し、
そこで他車が手を出していないアドバンテージを得ようという姿勢が窺えるが、
筆者の個人的な初印象では、完成度としては恐らく中の上くらい、昨年とあまり変わらない雰囲気を感じた。
毎レースのターゲットはポイント獲得、チャンスがあれば何度か表彰台が欲しい位置だろうか。
今季のドライバーは、ニコ・ヒュルケンベルグとセルジオ・ペレスが勤める。
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