2012年 1月25日、ツイッターでケータハムの2012年用マシン「CT01」のシルエット写真が公開された。
チームの最高技術責任者はマイク・ガスコイン、テクニカル・ディレクターはマーク・スミスとの事。
このマシンの詳細な写真はこの後(26日)に公開される予定だが、それまでに現在のシルエット写真から筆者の私見を記す。
この段差は、横から見た写真では随分と高さの段差がある様に見えるが、
それはフロントサスのプッシュロッドと前側アッパーアームを、
モノコック側面へ高く取り付ける為にモノコック上面の両端をコブ状としてある為だ。
サイドポッド上面の後方への落とし込みやコークパネルの形状は昨年のレッドブル風だが、
今季はそのエリアに排気管エンドが来ているので空力条件は異なる。
ラジエーター・エアの排出口もレッドブル式の大砲型とされている。
マシンの転倒時にドライバーの頭部を保護するロールバーは、昨年の中央板式から通常のエアインテーク形状へ戻された。
それは今(2012)年から、モノコック先端の高さは、RP(=リファレンス・プレーン)から上方に 550mm 以下でなければならないと定められた事に拠る。 車体設計上、コクピット開口部・前縁の高さの違いが空力デザインに及ぼす影響を、少々極端に表すと図の様になる。 まず規定で、コクピット開口部の前縁辺りは「幅は 450mm以上で、その高さは 400mm 以上なければならない」。 ポイントは、この「高さ 400mm 以上」という所で、「コクピット開口部・前縁の上面から下方へかけて計測」される事だ。 よって、コクピット開口部の前縁を高く設計すれば、モノコック下部で気流を左右へ別けるセパレーターに、より大きなスペースを作り出せる。 これ(図・H)はサイドポッド側面へ多くの気流を供給できる事を意味し、空力面でのメリットはかなり高い筈だ。 その供給量の違いは、上図(L)と下図(H)の差異から視覚的に理解できると思う。 |
FIAは、過激化したハイノーズを規制する為に、今季からモノコック先端の高さに上限を定めたが、
その結果、F1デザイナー/エンジニア達は、車体形状をエレガントなスタイルに仕上げる事にアイディアが必要とされる事となった。
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