2012年 2月07日(火)、トロロッソの2012年用マシン、「STR7」が公開された。
新車「STR7」の写真は、F1通信 等を参照。 以下、概観から筆者の私見を記す。
昨年からトロロッソのマシンが他チームと異なる点は、
サイドポッドのアンダーカットが後方までずっと続く、攻めた空力デザインである事だ。
この空力コンセプトを有効に機能させる為に、フロント・エリアで多くの努力の跡が見える。
こうした空力面の考え方が、元・本家レッドブルと最も異なるところかもしれない。
段差ノーズだが、レッドブルの様なエア・インテークは全く開いてはいない。
フロント・ウイングは3枚の翼端板を用いて、気流を積極的に外側へ跳ね飛ばしている。
これはサイドポッドのアンダーカットが後方まで続く空力コンセプトから必要とされたものだろう。
フロントサスのアッパー後ろ側アームは、途中で断面が変わり、後方へやや長く伸ばした空力処理となっている。
アンダーカットはサイドポッド後部までずっと続くので、そこへ前輪が巻き起こす乱流が進入しない様に、
サイド・ディフレクターと縦のベーンの形状はかなり気を使っている様だ。
ハイ・モノコックによりドライバーの頭部が高い位置にされた事から、側面クラッシュ時の安全性が心配だ。
高い位置のドライバーの頭部が気流を乱す為、エンジン・エアインテークは上方にあり、開口量を稼ぐ為に丸型となっている。
このSTR7も今季の他のマシンと同様、リヤサスのロワアームが車軸付近まで高くされ、アッパーアームとの間隔が少ない。
これはディフューザーへなるべくクリーンな気流を供給する目的で、見た目以上の効果がある様だ。
ただし強度や剛性にはかなり気を使って設計・製造しなければならないだろう。
エンジン排気管はサイドポッドから少し顔を出し、排気流はリヤサスのアッパーアームの下側を通る無難なレイアウトとなっている。
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