トロ ロッソ STR10   text by tw (2015. 2.03火)

2015年 1月31日、トロロッソの2015年用マシン、「STR10」が公開された。
新車「STR10」の写真は、F1通信 等を参照。 以下、概観から筆者の私見を記す。



ノーズは規定をクリアするコブは無く、全体的に低い。
ノーズの規定が変わった事からか、昨年投入したノーズホールの構造は廃止された。
ノーズ横にはガルウイング式のカメラを搭載し、ノーズ上面の高圧流の左右への振り分け方を制御している。

フロントサスのウィッシュボーンは水平に近く、他車に比べフロントのロールセンターが低い。
これは確実にビークルダイナミクスを向上させるので、個人的には好感が持てる設計哲学だ。

フットボックス下部のセパレーターはやや前寄りで、無難なデザインだろう。

ラジエーターインテークは小さめで、その分、サイドポッド側面のアンダーカットへ多く気流を供給している。
理論的にはサイドポッド側面へ多く気流を流す程、車体底面が負圧で横から吸い込んでしまう空気をシールできる。

トロロッソが継続させている特徴な部分は、サイドポッドのアンダーカットの最大幅が狭い事だ。
アンダーカットを最大幅まで広げるデザインよりも、この部分の流速は低くなるが、後流への位置エネルギーを消費しない。

サイドポッド上面前端はフィンが着き、意図的な細かい渦流を発生させ、リフトを防止している。

インダクションポッドは上下分割で、何かの冷却用と思われる“耳”もある。

リヤウイングのステーは中央1本で、スワンネックではないのがもう一声欲しいところか。
フラップ中央は角度調整機構が着くが、フラップ後端のカットはされていない。
モンキーシートは丸みのついた三角形で、排気の吸出し量が少ない代わりに、翼端渦の発生し難い形状。

ここ数年でトロロッソはもうレッドブルと原型が等しいマシンではなく、独自の路線を貫く車輌となっている。
いわゆるテンプレとは異なるアプローチで造り込んできているところが面白い。
ドライバーは2人とも新人で、カルロス・サインツとマックス・フェルスタッペンが起用された。

(このページのここまでの最新更新日:2015. 2.03火
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