トロロッソの2018年用マシン、「STR13」は2月26日に発表された。
昨(2017)年はレッドブルと同じスペックのルノー製パワーユニットを搭載していたが、今季はホンダ製パワーユニットへチェンジした。
今のハイブリッドシステムのF1パワーユニットは複雑なので、メーカーが変わるとエンジニアの仕事は大変だ。
新車「STR12」の写真は、F1-Gate.com 等を参照。
まだ写真が少なく、不明な部分も多いが、以下、概観から筆者の私見を記す。
フロントウイングステーは縦にスリットが切られた。これが気流を内側へ吸い込んでいるのか外側へ排出しているのかはまだ不明だ。
メルセデスと同じタイプの、アップライトから斜め上へ腕を伸ばしたハイマウントウィッシュボーンは継続している。
フロントサスペションのプッシュロッド車体側接続位置はモノコック上面ギリギリまで高く、ストローク時の作動性が良さそうだ。
したがって立体ロッカーを用いて、ピッチコントローラーをトーションバーよりも下側にレイアウトしている筈だ。
サイドポッド上面は、前後中間部分で外側に傾斜して低められており、今のトレンドに乗っている。
ただし、ここは空力チューニングが完璧でないと、コークボトルラインがサイドポッド上面の気流を過剰に吸い込んでしまい、
サイドポッド上面前部でリフトが発生してしまう危険性があるので、トレンドだからと云って簡単にできる設計ではない。
横からの写真を観ると、サイドプロテクターの後端は、2001年のフェラーリの様に垂直に見えるが、
後ろからの写真を観ると、垂直ではない(?)、現時点ではまだ謎のデザインだ。
今年から"ハロ"を装着するので、ハロの後部を接続するサイドプロテクターの形状は重要となる。
「STR13」のハロは、レギュレーションで許される20mm以内で、上部にフェアリングを装着し、ハロの後流に配慮している。
リヤサスペンションのプルロッド車体側接続部は、ステッププレーンよりも低く見える。
そうであればリヤサスのロッカーは、ステップドボトムの中にある事になる。
リヤウイングステーは中央の1本のみで空気抵抗が少なそうだ。
ウイングとの接続はスワンネック型としており、これはウイング下面の流れを重要視している。
しかし何と云っても問題なのはホンダのパワーユニットの出来だ。
ドライバーは、ピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーのペアで、未知数な部分が多い。