ルノーR.S.19 text by tw  (2019. 2.12火)

2019年の改定されたレギュレーションは、F1通信のページを参照。

2019年 2月11日、ルノーの2019年用マシン「R.S.19」が公開された。
この新車の概観は、F1-Gete.comを参照。以下、車体の概観から筆者の私見を記す。



まず車体を前から見て、インダクションポッドが非常に太いのが目につく。
理由として考えられるのが、頭部保護デバイスのヘイローが起こす乱流をここで絞って整えている可能性と、
もう一つは、内部に冷却装置の一部を収納してある可能性だ。
只、いづれにしても太過ぎるのではないだろうか?
サイドプロテクターとヘッドレストの間に溝を作って、そこを積極的な流路として活用している事から、全く何も考えていないという訳ではなさそうだが、
今年のR.S.19の直線スピードに注目したい。

そして、フロントサスペンションのマウントが全体的に低い。
高さでいうと、アッパーアームとホイールの間に余裕があり、タイロッドをアッパーアームとツライチとできている程だ。
これでは当然ロワアームも低い位置となり、下流をあまり重視してはいない。
良い面は、フロントのロールセンターが低まる事と、車輌重心高が低くなる事くらいだと思うが、それよりも空力の方が重要ではないのか?
尚これらに伴い、ブレーキダクトも低い位置にある。

後輪手前のアンダープレートにスリットが切られていないのは、新規定の理由からなのだろうか?



それは各部を観てゆく。 フロントウイング両端では、フラップを規定で許される範囲を最大までは使っていない。
これは今年のテクニカルレギュレーション下で、フロントウイングはダウンフォース発生量にまだ余裕がある証だ。

ノーズホールが開く位置は、車体を上から見て、前側アッパーアームの車体側取り付け位置のあたりからだ。
ノーズホールの役割は、ノーズ下の境界層の吸引装置なのだと考えられる。
こうして、速い流れが車体下部へ向かい、空力性能に寄与する。

サイドプロテクターの前側には、小型のベーンが左右2枚づつ増設された。
これは気流を外側へ跳ね除ける方向の翼断面となっており、新しいアイディアと言える。

サイドポッドの前側は、明らかに昨年のレッドブルを模範している。
車体を前から見て、サイドポッド前端の微妙に湾曲させた水平フィンと、
75mm のRを縦にバッサリと切り落とした様なエアインテーク形状。
だが、サイドポッドの後ろ半分はレッドブルに追随しておらず、単純な完コピ設計という訳ではない。

リヤウイングの支柱は2本で、下流を重視したスワンネック型となっている。

レース界では、時々、空力デザイン的に何か変だけれど、タイヤの使い方とかが上手かったりだの理由で、意外と速いマシンがあったりする。
R.S.19はそんなマシンな雰囲気がある様な…(?)。

ドライバーはニコ・ヒュンケンベルグと、レッドブルから移籍して来たダニエル・リカルドのペアだ。

(このページの最新更新日:2019. 2.11火
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