ルノーのニューマシン、「R.S.20」は先日の冬のテストで既に登場していたが、
車体全体が黒いカラーリングの為、ボディワークの形状がよく判らなかった。
そして2020年 3月11日、今年用のカラーリングが施された「R.S.20」の姿が公開された。
この新車の概観は、F1通信を参照。以下、車体の概観から筆者の私見を記す。
翼端板の上縁に、小さく狭幅の“フタ”が着いているが、
これはフラップ上面の気流を絞る作用があり、やや速めの気流をフラップ後端から外へ噴き出している。
この部分は細かい空力チューニングの跡が見える。
ワイドなモノコック先端をフル活用して、ノーズホールの排出口は幅が広い。
このエリアの気流変動を穏やかにする為、L字フィンで気流を安定させてある。
モノコック上面両端には、前後に長いフィンがあるが、これはガーニーフラップの役割かもしれない。
ガーニーを付けると、気流をガーニーを乗り越える際に細かい渦を発生させ、気流変動の挙動が穏やかになるのだ。
フロントサスペンションのウィッシュボーンは今年もハの字マウント。
アッパーアームは、アップライトから腕を上へ伸ばして接続するハイマウント方式となった。
これでステアリングロッドはアッパーアームと同じ高さにはできなくなる。
ステアリングロッドはロワアームと同じ高さにはせず、上下ウィッシュボーンの中間に露出させたが、
ルノーは昨年も中間位置にステアリングロッドをレイアウトしていた。
「R.S.20」全体的に、開発の跡は見えるが、ここが他チームに比べて特に優れているというエリアが筆者には見えない。
今年、コンストラクターズ4位を狙うには、まだまだ多くのアップデートが必要かもしれない。
ドライバーは引き続き、ダニエル・リカルドとエステバン・オコンのペアだ。
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