昨(2009)シーズンをもってBMW社がF1GPから撤退した為、
今(2010)シーズンのザウバーは、再びフェラーリ製のエンジンを搭載する事となった。
BMW社に買収される前のザウバーチームは、フェラーリ製エンジンを搭載するシーズンが多かった。
ザウバーチームは一旦 BMW社 に買収されたが、BMW社のF1撤退により、
元々のチームオーナーであるペーター・ザウバーがチームを買い戻し、
今年からまたプライベーターとしてF1に参戦し続ける。
ただし何故かチーム名は「BMWザウバー」のままである。
それでは、新車「C29」の写真は、Formula1 GPUpdate.net等を参照。 以下、概観から筆者の私見を記す。
ダミーカメラの装着位置は筆者は懐疑的だ。何故あの場所にしたのだろう?
カメラはタイロッドかアッパーアームと水平の位置に置くべきではないのか?
サイドポッド上面を後方へかけて低く落とし込む意味は、車体とリヤウイングが一体となり、
サイドポッド上面を後方へ低く落とし込む事で結果として車体に凹形状を形成し、サイドポッド上面の圧力を上昇させる事にある。
つまりリヤウイング単体で考慮するのではなく、車体全体でウイング形状を達成するコンセプトである。
尚エンジンの排気管は、サイドポッドに穴を開け、リヤサスのアッパーアームの上方を通過する様になっている。
これは無難な設計だと思う。
エンジンカウルはシャークフィンが採用された。
これはコーナリング時に、エンジンカウル上端を気流が横から乗り越えて発生する渦流を軽減する効果があると思われる。
リヤのロールセンターは低い。
これはサスペンションのジオメトリーよりも、空力デザイン上の理由でこうしたアーム角度となった可能性が高いと思う。
本来、エンジン(重量物)をミッドシップに搭載するレーシングマシンでは、
前後ロールセンターはやや前下がりとするのが基本である。
それが、現代のF1マシンではゼロキールとした事でフロント・ロールセンターが異常に高く、リヤは空力上、低められている。
よって最早、現代のF1のサスペンションは、ジオメトリーや剛性や作動性などお構いなく、
前後荷重移動と縁石の乗り上げ時にストロークしてくれればそれで良いと云う感じであって、
極論すれば車体とホイールが繋がっていればそれで良く、全てを空力性能の追求に費やしている様だ。
ドライバーはこの状態を理知的に把握してドライビングする必要がある。
リヤサス、アッパーアームのカウルの開口部はストロークが必要な分よりも大きめで、
ここから排熱している事が判る。
発表当時のリヤウイング翼端板のウイング上面・高圧排出スリットは4本切ってある。
先日、日本のフジテレビはバーニー・エクレストンと2011年までの放送権の獲得を更新した様だが、
果たして2011年度にフジのF1放送にスポンサーは着くのか?、
そして2012年以降に日本でF1GPは放送されるのか?、と筆者は心配でならない。
ハッキリ言ってしまうと、筆者はこの状況に希望を見出せず絶望しているのが本音である。
唯一、残された希望の星は小林可夢偉選手の活躍であって、今後のザウバーのマシンに競争力がある事を祈るのみである。
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