アルファロメオの新車が、2020年 2月19日に公開された。
この新車の概観は、F1通信 等を参照。
今季もフェラーリとパートナーシップを組み、パワーユニットの供給も受ける。
以下、車体の概観から筆者の私見を記す。
もしC39が実際にあの様な構造となっている場合、
2004年にレギュレーションでリヤウイング上段のエレメント数が制限された時に、
当時BARがテストしていたアイディアと同じ考え方なのかもしれない。
それはウイングエリアの断面を多数の斜めのフィンで埋め尽くし、
気流は上方へ通過できるが、横方向に全ての位置の断面で、エレメントが縦に繋がっていた物だ。
これは干渉抵抗が非常に大きく、実戦では使用されなかったウイングであった模様だが、
もしかするとC39のノーズ先端は、事実上のハイノーズとする為にそういったトリックを採用している可能性がある。
ただしその場合、ノーズ先端の筒の中は非常に強い干渉抵抗が生じる為、遅い気流をモノコック下へ供給する事になると思う。
フロントウイング翼端板の両端下部の半トンネルは、形状が途中で変化し、後端はフラットな板となっている。
これの意図は筆者はまだ解らない。
フロントサスペンションは、アップライトからブラケットを上方へ伸ばしたハイマウントウィッシュボーンで、アッパーアームは水平に近い。
ステアリングロッドが見えないが、前側ロワアームを中空にしてその中を通過しているのかもしれない。
サイドポッドは、上面のリフトを抑制するトレンドのコンセプト。
インテーク下縁の側面衝撃吸収バーは非常に意図が判り易い形だ。
今年も分割式のインダクションポッドが特徴的だが、昨年採用されていた中央の露出した柱は撤去された。
中央を柱として荷重テストにパスする手法は、過去メルセデスも採用していたが、
コーナリング時に、インダクションポッドのエアインテークへ上手く空気を充填できなかった様で、過ぎ去ったアイディアとなった。
C39のサイドポッド後部は低い部類で、コークボトルよりも、ややリヤウイングへの気流に気を使っている。
2段式のTウイングは、頭部保護デバイスのヘイローからの乱流を整える効果があるのかもしれない。
アンダーパネルは、後輪手前には多段スリットが切られ、更に後端にはRを描いたベーンで気流を外側へ誘導している。
細かい事だが、こういう配慮は空力デザインのフィロソフィーとして大切だと筆者は個人的に思う。
ドライバーは引き続き、キミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィのペアで、
リザーブドライバーにはロバート・クビサが加わった。
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