アルファロメオ C41
text by tw (2021. 2.23火)
アルファロメオの2020年用マシンが、2月22日に公開された。
このマシンの概観は、F1通信 等を参照。
以下、写真から判る範囲で筆者の私見を記す。
まずチームは、「空力性能向上を目的に、フロントエンドに2つのトークンを費やした」と述べている。
そのノーズコーン先端の形状はエアインテーク構造で特徴的だが、その後方への流路は不明。
フロントウイングのメインエレメントは、
テクニカル レギュレーションで定められたワンメイクの中央部(車体中心線から左右へ 250 mm)と、
ダウンフォースを発生させる両側のエレメントとでは、そのつなぎ目にRをつけた段を設けてあり、
中央エレメントをダウンフォース発生エレメントとで、それぞれの気流を少しでもと明確に分けてある。
今年も、フロントウイングのフラップは外側へかけて極端に低くしてアウトウォッシュを重視しているが、
これではフロントウイングで発生できる最大ダウンフォースは少なくなる。
これはC41が、リヤで発生できているダウンフォースが少ない証明かもしれない。
フロントウイング翼端板下部のトンネルは、後方へかけて低くなる、流行の兆しの形状。
フロントサスペンションは、アップライトから上へ腕を伸ばしてアッパーアームと接続するハイマウントタイプで継続。
写真ではロワアームが妙に太く見える。
アルファロメオで特徴的な、インダクションポッドの分割エアインテークも継続。
ただしこれではコーナリング中に外側のインテークに気流を十分に充填できないかもしれない。
サイドポッド上面から側面へかけては特に工夫は無さそうだが、これで空力性能は大丈夫なのだろうか???
サイドポッド後端の廃熱アウトレットは開口量が大きめに見える。
単純に云えば、この開口量が小さい程、空力効率は高い筈だ。
リヤウイングへ整えた気流を送るTウイングは上下2枚。
しかしエンジンカウルとの接続部分が無塗装の金属製で、綺麗な造りな印象は受けない。
後輪ホイールはマクラーレンの様に溝入り仕様。
今年もウエイストゲートバルブの排気は、メインの排気管の上側。フェラーリのパワーユニット勢は皆こうなのかもしれない。
ディフューザーはトレンド通り、後端が間隙フラップ構造で、少しでも車体下の気流を吸い出そうとしている。
リヤウイングのスワンネックは大げさなサイズだが、何か意味はあるのだろうか?
リヤウイング翼端板の外側には、数枚のフィン。微力ながらリヤの気流を改善しているのだろう。
2019年シーズンに強力だったフェラーリのパワーユニットにライバルチームから疑念の目が向けられ、
2020年はFIAからの指令でフェラーリPUは競争力が低下した。
今(2021)年はフェラーリはPUの設計を見直し、性能向上に自信を見せる様なコメントをしていたが果たして?
C41は、あの写真の仕様でもし速かったら筆者は結構驚きだ。
ドライバーは引き続き、キミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィのペア。
(このページのここまでの最終更新日:2021/ 2/23火)
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