ウイリアムズの2006年シーズン用マシン「FW28」は、2006年1月27日に発表された。 写真は、F1 Live.comや、F1Racing.jp等で参照。
ウイリアムズは、2001年にミシュランがF1GPに復帰した当初から同社のタイヤを使用してきたが、
そしてエンジンも、2000年から使用してきたBMW製からコスワース製へ変更となったが、
以下、FW28の概観から筆者の私見を記す。 [コンセプトと特徴] フロントの空力は、昨(2005)年に最速マシンとなっていたマクラーレンMP4-20型のコンセプトが採用された。 ノーズ先端を低くし、ノーズ下面を持ち上げてフロントウイングからの気流を迎え入れ、 モノコック下面はロワアームを取り付ける為のキールを撤去し、 フロントの流れの邪魔をする要素を無くす努力をしている。 こういった空力デザインパッケージとする為に、フロントサスの上下アームを高く設置し、 且つ、アームには車体側からタイヤ側へやや下がる角度となっている。
ウイリアムズは1999年中盤からボーダーウイング型の空力パッケージとしてきたが、
[フロントの空力] ノーズ先端には小さな冷却口が開けられている。 フロントウイング・ステーは、ノーズ両端から下方へ向けて直線的に降りている。 ノーズ上面は、気流を若干左右へ分ける形状となっている。
フロント・ウイングは、メインウイング1枚+フラップ2枚の3段構成。
テスト走行では、昨年終盤に登場させた上下2段式ウイングを使用した。
フロント・ブレーキ・ダクトは斜め下方へ向けられ、フロントウイング下面の気流をブレーキの冷却に使用している。
そしてこれは本サイトの掲示板に寄せられた情報で、
[サイドポッドの空力] 昨(2005)年、ウイリアムズは非常に低いサイドポッドのコンセプトとしていたが、 今回のFW28では現在のF1で標準的な、最大高の高いデザインとされた。
サイド・ディフレクターを使用する理由の一つは、
サイドポッド両端の前側には、迎角が浅めのミドル・カナードを装着している。 ラジエーター・チムニーの排出口は大きく、横側へ向けたタイプ。 これはトヨタTF106も同様で、それついて先日、F1der誌に童夢の空力エンジニアの見解が掲載されていた。それによれば、 ラジエーターを通過した空気は流速が低下しており、この遅い流れをコークボトルエンドから排出するとディフューザーやリヤウイングの効率を低下させてしまうので、ラジエーターを通過する流量の多くをチムニーで排出しておく事で、コークボトルエンドを小さく済ませる設計となっている、という解説であった。 サイドポッド上方のミニウイングは間隙フラップ式で、ウイング外側は上面に翼端板が無いタイプ。 そしてミニウイングとフェアリングフィンとの間にはミドルフラップが設置されており、これも間隙フラップ式。
サイドポッド側面でフェアリングフィンが始まる位置は低めとなっている。
[コクピットからリヤボディへ] サイド・プロテクターの規定を満たす為のフィンは大きめ。 プロテクター上面のラインは緩やかで、リフトは発生するかもしれないが抵抗は少ないかもしれない。 ロープを通す穴は、エンジンのシュノケール型インテークの下側に作り出すタイプ。 ミッドウイングの幅は、規定一杯までは使っていない。
エンジンカウルの側面は、後部が急に絞り込まれているのが特徴。 エンジンの排気は排気用チムニーから行っている。
[リヤエンド] リヤブレーキ・キャリパーは、重心を低くする為にディスク下側のやや後ろ寄りに配置されている。 真下ではなくやや後ろ寄りに配置されている理由はロワアームを避ける為。
センターディフューザー側面のフェンスは、下部が内側へカーブしているが、
テールライト上面は、この辺りの気流の向きに合わせる為に上方へ向けてあり、
リヤウイングの上段は、ウイング両端の下面を高くして、翼端渦を抑制するタイプ。
(ここまでの最新更新日:2006. 2. 2)
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