ウイリアムズ FW35   text by tw (2013. 2.21木)

2013年シーズンのマシンので最も遅く、ウイリアムズのニューマシン「FW35」は登場した。
この新車「FW35」のテクニカルディレクターはマイク・コフラン。新車の写真は、F1通信 等を参照。
以下、概観から筆者の私見を記す。



ノーズ上面は、今季から化粧カウルを使用できる為、段差の無いスムーズな形状となった。
昨年はモロに段差のついたノーズだったので、このエリアとその後流はとても綺麗になった筈だ。

フロントのダミーカメラは、フロントウイング・ステー内側の低い位置に装着してある。
これは大切な車体底面への後流に悪影響を及ぼしかねない危険性があるが、
上下対称翼であるフロントウイング中央部の気流を、ダミーカメラで間隙フラップ型に吸い出して、
フロントのダウンフォース発生寄与を期待できるかもしれない。

尚、ウイング・ステーの外側にはセナ・マークのステッカーが貼ってある様子。

フロントサスは、プッシュロッド車体側の付け根が上縁にある為、ピッチコントローラーはトーションバー回転軸より下置きのタイプの筈だ。
この場合、ピッチコントローラーはバンプ時にプル・ストロークで作動する。



2011年からのウイリアムズと他車との大きな違いは、ギアボックスのサイズで、もうウルトラ・コンパクトと表現できる程だ。
これにより結果、ウイリアムズのリヤエンドの空力コンセプトは他車と異なった物となっている。
まずエンジンカウル後端は、気流を左右から合流させ、リヤエンドとリヤウイングへ大量の気流を供給している。
これは、この部分から大砲型のラジエーター排気を行うレッドブル等とは異なったアプローチだ。



この新車FW35が登場した現在、排気管の出口のボディワークは巧妙なデザインが施されており、
エンジン排気流を、ボディワークのコアンダ効果で過激なまでに下方へ向けている。
しかしFIAからの最初のコメントは「違反」という事で、チーム側はこのエリアの規約の更なる明確化を求めている。
よって、この急激なコアンダ・エキゾーストを実戦投入できるか否かは、開幕戦直前までもつれるかもしれず、
もし最終結論が違反という事であれば、ウイリアムズはこのエリアに注いだリソースを失う事になるが、果たして…?

(このページのここまでの最終更新日:2013. 2.21木


先日のテストでFIAからウイリアムズへ、上記のコタンダ・デザインは違反と通達された様だ。
現在FW35は、取り外し可能な排気エリアのパーツをオーソドックスな仕様へ変更して走行している筈である。

そしてFW35にはまた別の空力アイディアが採用されている事が判明した。
昨年、レッドブルは車軸に複数の穴を横へ開け、ホイールの内側から外側へ気流を導く構造としたが、
これは空力部品は稼動してはならないという規定で禁止された。

そこで今回のウイリアムズは、前輪の車軸自体を「中空構造」とした。
これにより、前輪内側の気流を前輪外側へ排出する事が可能となったが、
これは稼動する空力部品は着いておらず、ただ穴が存在するだけなので、規定違反とはならない訳だ。

(このページのここまでの最終更新日:2013. 3.01金
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