2015年 1月21日、ウイリアムズのニューマシン「FW37」のCG(?)が公開された。
画像は、F1通信 等を参照。
パッと観、昨年とどこが変わったの?と思うかもしれないが、結構違うマシンだ。
ノーズ先端は幅広く、昨年と比べると格好良くないかもしれないが、
メルセデスに習って、前後長が短くされた。
短くするとクラッシュテストに合格する為に重い構造となるが、空力にメリットがある様だ。
ところでアイルトン・セナのロゴマークが見つからない…。
ウイングステーはトレンド通りにフロントウイングとの接合部分が少なく、強度面で不安だが、この設計が採用されている。
翼端板には、高圧流を前輪の外側へ弾き飛ばす“窓”が開けられている。
サイドポッドは全体的に昨年を踏襲したデザインで、撫で肩で、後方へ低く落とし込んでいる。
リヤにロワウイングは無いが、サイドポッドを低める事で上段ウイングの効率を少しは上げられるだろう。
サイドプロテクター両端のモノコック上面には、多数のルーバーを開け放熱している。
このエリアはモノコックが定義される為、端に75mm以上のRをつけなくて構わない。
ロールフープにはミニウイングを装着している。
この翼向きはリフト方向に働く形状で、リヤウイングへ向かう後流をコントロールしている筈だ。
エンジンカウルは昨年同様、早い位置で後端が終結し、規定の面積を満たす形状の背ビレを使用している。
リヤの中央ミニウイングは、ルノーが先鞭をつけた翼端板の一部を切り欠いたタイプを、このエリアでは恐らくで初めて採用した。
翼端板を切り欠いている部分では、ウイング上面からの翼端渦が気流を左右へ弾き飛ばしている為、エンドプレートが要らず、
かえって無い方が、ウイング下面の気流を翼端板の外側へ排出でき、ダウンフォース生成に寄与するのだ。(*この事象は風洞で確認済み。)
モンキーシートと呼ばれるこのウイングがあるエリアで許される規定幅は、長い間150mmだったが、
昨年から200mmとなっており、より空力設計に活用できる様になっている。
リヤサスのロワアームは、ドライブシャフトに近い程まで高くされ、リヤエンドの空力の邪魔をしない様に設計された。
この設計変更はパフォーマンスの違いが大きいだろう。
ロールセンターは高くなるが、レーシングカーでは前後ロールセンター高は前下がりが本来のセオリーであり、リヤが高い分にはそれほど弊害はない。
昨年のFW36はクリーンヒットだったが、今年も良作とできているかどうか。
最近ではウイリアムズは、2003年終盤に最速であったにも関わらず、翌2004年の大幅変更で大失敗した経験がある。
今年のノーズがかつてのセイウチに見える気がしたのはカラーリングのラインのせいだろう。
ノーズは作り手の考え方が表れると思うが、王者メルセデスに習ったショートノーズは素直な前進の一手に見える気がする。
ドライバーは、昨年と同じくフェリペ・マッサとバルテリ・ボッタスが務める。
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