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ウイリアムズ FW40   text by tw (2017. 2.18土〜)

2017年 2月17日、ウイリアムズのニューマシン「FW40」(のCG?)が公開された。(これは3D-CADに陰影効果を着けた物に見える。)
ウィリアムズは初めてシャシーナンバーをスキップし、40周年を記念して今季のマシンを「FW40」と命名した。
マシンの写真は、F1通信 等を参照。以下、車体の概観から筆者の私見を記す。



まず、ここが空力的に肝心なのだが、動画のリヤビューでは、リヤにロワウイングが装着されていない事が判った。
今回のCG(?)が実戦用と同じ、正確な物ならば、今年の規則でもロワウイングは禁止なのだろう。

ロワウイングの有無によって、リヤエンドの空力コンセプトは全く変わってしまう。
ロワウイングの設置が許されればサイドポッド後端を低める効果が顕著に出るが、
ロワウイングが禁止ならばサイドポッド後端を低める効果は低い。

そしてFW40で筆者が懐疑的なポイントは、サイドポッドが強い撫で肩となっている事だ。
こうしたデザインを過去何作も見てきたが、それが空力的に優れたマシンと評価された件数は少ないと記憶している。

この様な撫で肩の形状とすると、サイドポッド上面の流速が低下し、圧力が増すが、
物理的に空気流は圧力の高い所から低い所へ流れ込む為、サイドポッド上面の気流はコークボトル部分へと侵入してしまう筈だ。
これは空力設計上、疑問としか言いようが無い。ここは、できれば側面流と上面流とハッキリ別けたいところではないのだろうか?



ノーズは長く、衝撃吸収構造として安全だ。これは今季のレギュレーションから、必然とこの長さとなっている。
そしてノーズ上面には排出口が確認できる(ノーズホールがある)。これは横から透視するとS字ダクトとなっている筈だ。
対気流速を測るピトー菅は1本だ。

フロントサスペンションは前から見てハの字マウントで、下流を綺麗にしようという近年のトレンドだ。

モノコックのサイドポッド手前部分を見ると、ミニアッパーボーダーウイングが確認できる。
上から下へ投影したこれと同じ面積で、シャドープレートというかボーダープレートが下にはある筈だ。
(でなければフラットボトム規定をクリアできない。)
ボーダープレートはモノコック下のセパレーターから、サイドポッド底面へ流れ込む気流進路を制御する重要パーツだ。

サイドポッドのラジエーターエアインテーク開口面積は小さめで、これは高速域の空力を重視しているコンセプトの証拠となる。
エンジンの効率を優先すれば、大型のラジエーターに大きめのサイドポッド開口面積となるが、
空気抵抗の軽減を優先すれば、小さいラジエーターに小さめのサイドポッド開口面積となる。
大雑把に云うと、空気抵抗は速度の2乗で増加するので、高速域では後者の方が遥かに有利となる。

サイドプロテクター内側にはバルジがある。これは発信機かセンサー? ドライバーの頭部に邪魔にならないだろうか?

インダクションポッド下側のセパレーターの後部…というか側面にはダミーカメラがある。
ここは流速が上がる所なので、カメラを設置する事で僅かな量でもダウンフォースにしているのかもしれない。

エンジンカバーは噂されていたシャークフィンではない。

リヤサスペンションはオーソドックスだが、若干ロワアームが高い様に見える。これは下流を重視した選択だ。

リヤウイングは3D形状で、中央部の高さが大きく、左右が低い。

ドライバーは、新加入のランス・ストロールと、ボッタスが移籍した事による事情から引退を撤回したフェリペ・マッサが務める

(このページのここまでの最新更新日:2017. 2.18土


F1-Gate.comに実車のFW40の写真が掲載された。
CGではエンジンカバーは、最小面積規定をクリヤする最低限の三角形であったが、実車の写真では広面積なシャークフィンとなっている。
しかし今年公開された他チームのマシンと比べると、現時点のFW40は空力付加物が極めて少なく、これで競争力があるのかは非常に疑問だ。
もし開幕戦までに空力パッケージの大規模アップデートが行われなかったとしたら、かなり意外な事だ!
(このページのここまでの最新更新日:2017. 2.25土

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