ミニ風洞で天秤と重りを使い、ミニ四駆でも空力ダウンフォースを発生できる事実を証明した。
今回はフロントの幅100mmx高さ68mmの高圧効果と、リヤ ディフューザー効果をテストした。
下の映像で、風洞の噴出口の板を外して空気が流れ出すとダウンフォースが発生する事が確認できる。
リヤディフューザー効果は、手の平で気流を遮るとリヤのダウンフォースが消える事から判る。
今回の実験では、車体が地面から僅かに浮く様に天秤の重りを調整した。
車体の前後重心位置と、空力ダウンフォース発生中心位置は異なり、
今回は後者へ吊り糸を装着して、実際にダウンフォースを発生するか否かの確認を行った。
ミニ四駆のコースアウトを防止する最も効果的な要素は、
コーナリング・ローラーのスラスト角、車体重心位置、タイヤ設置位置の、それぞれの位置関係であると考えられるが、
筆者は空力面にも強く興味を抱いている。
尚、空力ダウンフォースがミニ四駆の性能面に寄与するのは、
車体がフロントから浮き上がるコースアウトの抑制であって、
タイヤへ垂直荷重を加える事が目的ではない。「車体へ」垂直荷重を加えたいのだ。
タイヤへの垂直荷重は結果的に加わってしまうかたちとなる。
ミニ四駆のノーズアップを防止するには、フロントにウエイトを搭載する方法もある。
重量が増加すれば慣性力も増加してしまう為、ウエイトの搭載はできれば避けたいが、
しかしウエイト搭載によるノーズアップ抑制効果があるのも経験則からして事実であろう。
仮に、重量5グラムの空力パーツで10グラムの空力ダウンフォースを発生した場合、
車体にプラスされる垂直荷重は計15グラムとなる。
これなら空力もコースアウトを抑制したいミニ四駆の走行性能に寄与していると云える。
筆者のミニ四駆の空力開発はまだ最初の一歩を踏み出したばかりで、
そのパーツがどれだけ軽量化できるかもまだ見当が着いていないので、
ほとんど開発を進めていない現時点で、ミニ四駆に空力が無意味か否か決めつける事は出来ないと思う次第である。
(ここまでのこのページの最終更新日: 2007. 9.14金)
追記:
・上の映像で発生した、車体底面(フラットボトム&ディフューザー)のダウンフォースは、7グラムです。
・このミニ風洞の風速は不明です。
・このミニ風洞にはムービングベルトが無い為、
車体の地上高を低くすると、境界層の増加と思われる影響でダウンフォースが減ってしまいました。
ですので実走ではもっと地上高を低めてグランドエフェクトを増せると予測しますが、
実走ではタイヤの回転が巻き起こす乱流が空力に悪影響を与える為、実走時のダウンフォースは不明です。
・上の映像の車体のレイク角はゼロです。
近年のミニ四駆レースでは、ほとんどの場合、前後タイヤを同径とするので、
実用的な仕様を念頭に置き、レイク角をゼロとしました。
前輪を小径ワンウェイホイールとし、レイク角を増せば、より大きなダウンフォースを発生できるかと思われます。
・上の映像で着用したアンダーパネルとディフューザーは、タミヤ製のプラ板で作製してありますが、
現時点のミニ四駆公認競技会規則では、シャーシにプラ板の使用が認められないと思われますので、
このマシンはミニ四駆公認競技会に出走できません。
レギュに対応したアンダーパネルとディフューザーを作製するには、
グレードアップパーツのクリヤーボディを素材にする事で可能になるかもしれません。
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