ホンダ RA106  text & illustration by tw (2006. 1.27)

今シーズン(2006年)からBARチームはホンダに買収され、[HONDA]名での参戦となる。
2006年シーズン用「RA106」は2006年1月26日にシェイクダウンされた。
写真は、F1 Live.comや、F1Racing.jp等で参照。


[フロントの空力]

ノーズ先端の位置は高くされ、ノーズ下面のラインは路面に対して水平に近くなった。
ノーズコーン側面にはダミーカメラが装着されているが、近年のF1ではダミーカメラを気流進路の制御に利用しているかもしれない。
フロントウイングは全体的に昨(2005)年と似た形状だが、昨シーズン後半に使用された2階建タイプではなくなった。
フロントウイングのステーは前進する形でノーズコーンと接続されている。


[フロント・サスの形式]

昨(2005)年に最速マシンとなっていたマクラーレンMP4-20に習い、
ノーズ下面のキールを排除する為に、ロワアームをモノコック両端の底部に取り付けるタイプとなり、
サスアームは車体側からタイヤ側へ下がる角度がついたものとなった。
まだ写真からはよく確認できていないが、今(2006)年のマクラーレン同様、僅かなツインキール状となっているかもしれない。

昨年と異なる点は、ステアリングロッドの設置位置で、アッパーアームと同じ高さではなく、モノコックの低い位置へと移動した事。
この場合はステアリングロッドが気流中に単体で露出するので空気抵抗は若干増える筈だが、
ホイールハウス内でステアリングロッドとキングピン(右図の黄色い縦線)との長さを大きくできるので、ステアリング機構としての力学面や強度面では有利となる。



ただし、モノコック内のステアリングシャフトを下方へ向かわせる必要があるので、
途中のジョイント数を増やすか、下方へと方向転換させるギアボックスを用いる等しなければならなず、この部分で作動精度や力学的な不利が多少は発生する。




[低く配置したステアリングロッド]

ステアリングロッドをアッパーアームと同じ高さとしないのであれば、
アッパーアームはホイールハウス内の高い位置にレイアウトする事が可能となり、RA106ではその様にされている。
アッパーアームを高くできれば、その分、強度的にロワアームも高く配置できる。
RA106がステアリングロッドをアッパーアームと同じ高さにしなかった理由は、上下のサスアームを高く配置する事が目的かもしれない。

アッパーアームは前後長の短い薄型で、フロントウイングが跳ね上げる気流に対して空力的な効果は持たせてはいない。
モノコック側面の底部には、ロワアームと同じ高さで水平板が設置されている。

モノコック上面には、プッシュロッドを収める膨らみがある。この場合はサスユニットのレイアウトの関係上、
ピッチ制御ダンパーは、左右のトーションバースプリングよりも低く設置されている可能性が高い。

(ここまでの最新更新日:2006. 1.27
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