メルセデス・ペトロナス MGP W02  text by tw (2011. 2.01火)

元BARで,元ホンダで,元ブラウンGP,であったチームを買収した[メルセデスGP]は、2シーズン目を迎える。
エンジンは開発凍結ルールが規定されている為、昨年と同じくメルセデス製2.4リッターV型8気筒を搭載する。

2011年 2月 1日、メルセデスGPのニューマシン、「MGP W02」が公開された。
写真は、ESPN F1 ニュース 速報 Live 等を参照。 以下、概観から筆者の私見を記す。



まずノーズ先端は、今年のトレンド通り、かなり高い位置とされた。
そしてノーズコーン自体は、F1史上(筆者の知る限りでは)歴代,例を見ない程に薄く前後方向へ延ばされた物だ。
これは上下運動の安定板の役割も果たすと思う。

コクピット開口部からフットボックス上面には、高さで明らかな段差があり、フットボックスを数cm高く設計している事が判る。
モノコックのフットボックスを高くすればする程、車体下部への空力効率を上げる事が出来る。

プッシュロッドの車体側取り付け位置から見て、ロッカー回転軸(=トーションバーより下)にピッチコントローラーがある様だ。

モノコック上面両端には、昨年のレッドブル様のコブがある。
これによりモノック前端の断面積を上部に稼ぎ、下部を斜めに削り取れる訳だ。
そしてロワアームは低く、長くなり、ストローク時のトレッド変化量が軽減される。



サイドポッド前側・両端の縦のベーンは背が非常に低い。目視で 200mm以下 であろう。
これは新車の発表用だとしたら問題は無いが、実戦でもこの高さならば、かなり不利なのではないか?と純粋に思う。
つまり、上下へ高く延ばしたベーンとしなければ不利なのでは?と思う次第である。

エンジン・エアインテークは、新規定(第15条 2項 4:)の導入から、昨年の中央柱は撤去された。
が、ロールフープ上のカメラはまだ後方へ位置している。これ自体は特に問題は無いと思うが、
インタクションポッド後部は、エア・インテーク開口量以上に幅が広いが、何のメリットがあるのだろうか?



リヤサスはプルロッド化された。
これは空力的にボディ後部を低めたい事と、サス・ユニットの重心低下が狙いだと思われる。
どうやらロッドとの接続部分はアッパーアームと繋がれている様だが、
この場合、アップライトのストロークによるトー変化にはロッドの移動位置は関与しなくなる。

筆者は、F1復帰2年目のミハエル・シューマッハにとって、車体の前後重量配分・固定レギュレーションは、
彼にとって思わしくない、歯痒い規定になる様な推測をしている。…彼が活躍してくれた方がF1は面白いと思うのだが…。

(このページの最新更新日:2011. 2. 1火
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