筆者はマスダンパー搭載ミニ四駆の走行テストを行っていない為、ここからは推察・考察となるが、
マスダンパーはコースアウト防止効果に寄与する事があっても、ラップタイム短縮にはつながらないのではないだろうか。
田宮のミニ四駆公認レース規定では、車重は90g以上なければならないとされている様だが、
どんなに車体を軽量化しても、レース仕様車では90gより軽くなる事は恐らく無いであろう。
2004年頃から2006年にF1GPでマスダンパーが性能を発揮してラップタイムを短縮できた理由は、
F1GPの車輌規定ではドライバーが搭載した状態で車重は605kg以上でなければならない事情があり、
実際の車体のみの純粋な重量は450kg程度で、それにドライバーが約70kg程、これでは520kgの重量しかなく、
75kg程の追加ウエイトを搭載しないと605kgに達しないという理由があった為である。
筆者は現状のレース仕様のミニ四駆の車重について知らないが、恐らく100gから125g程度ではないだろうか。
その為、例えば、ミニ四駆公認レース規定が、車重は150g以上なければならない、とされていれば、
マスダンパーは搭載した方がラップタイム短縮につながる可能性もあると思われる。
現状のミニ四駆でマスダンパーが走行性能に寄与しないとしても、しかし、
どんな物でも取り入れチャレンジしてゆく発想自体は大いに評価したい!と筆者は思うのである。
その為、車体底部に、比重の重いタングステンのプレートを装着する事で、
車輌規定を満たし、且つ、低重心化を実現し、前後重心位置のセッティング変更も達成できているのである。
もし仮に車重が自由なレギュレーションであれば、
マスダンパーを搭載するよりも軽量化を優先した方がタイムは速い可能性もあるが、
F1では空力性能がラップタイム短縮に非常に重要な為、
マスダンパーによる車体姿勢制御は空力性能に寄与する為に、これは判断の難しいところだと思う。
ただし、マスダンパーは車の乗り心地を改善できる為、市販乗用車には有効かもしれない。