リヤ・ローラーの前後位置、テスト走行結果

 セッティング作業・撮影・text by tw (Web公開日:2011. 6.01水)



ミニ四駆の力学実験テストの続き。

以前はJCJC(ジャパンカップ・ジュニア・サーキット)1セットのコースにて、

・フロント・ローラーとリヤ・ローラーの前後距離(筆者はローラー・ベースと命名)および位置、
・車体の前後重心位置、
・タイヤ・トレッド幅、前後タイヤのトレッドの違い

等による、総合的な力学の調査・データ採取を行ってきたが、
その組み合わせのパターンは無限の様に存在する。

テスト結果から速いマシンを順に並べて診ても、それらのセッティングはバラバラで、
「シャーシ力学が及ぼす速さとコースアウト抑制性能を示す傾向」
が、全然と云ってもいい程に統一しなかったのだが、
その理由は、電池とモーターの状態が車速に及ぼす影響が大きいからだと思う。

そこで今回は最終結論を見い出す事を一旦待って、
基準の一つとできるマシンの作製を目的とした。

シャーシは新品のVSを1時間ほど馴らした物、モーターは少し馴らしたスプリント・ダッシュ、
電池は三洋電機「エネループ lite」(HR-3UQ-2BP)を使用、
テストコースは t's サーキットで、レーンチェンジャーと下りスロープは屋根あり。





 フロントは一切セッティング変更せずに、リヤ・ローラーの前後位置の違いだけのテストを行った。

まずはリヤ・ローラーを前側に。12秒15、12秒08、12秒06、11秒96、12秒11、12秒15。
車体右側のリヤローラーだけ後ろへ移動。12秒15、16、42。
元へ戻す。(リヤ・ローラーを前側に。) 12秒20、29。
再び右のリヤローラーだけ後ろへ移動。12秒16、25、12秒13、14、34、42。
また元の前側へ戻す。12秒23、33。ローラーの回転音が悪くなってきたのでクリーニング、35、51。
再び右のリヤローラーだけ後ろへ。12秒53、42、71。電池が弱った様なので交換、11秒65、11秒79、11秒78。
また元の前側へ戻す。11秒66、11秒60、11秒87、91。
後ろへ。11秒73、12秒02、11秒73、91、97。
前側へ。11秒75、82、94、ローラーをクリーニング、12秒16、11秒98、12秒05。
今度は左右共に後ろへ。11秒85、97。

モーターが熱くなってきたので、ここで数分間テスト走行休止。

ある程度データを採れたので、ここからリヤ・バンパーとローラーを交換。
ローラーの位置は後方となるが、
力学的にバンパーの迎え角度に無理のない無難な形状へチェンジした。

以下のテスト走行のリヤ・ローラー位置の変更は、
ローラー単体ではなく、バンパーごと前側・後ろ側と試した。


左右共に前側へ。11秒29、33、33。
左右共に後ろへ。11秒40、47、50。
左右共に前側へ。11秒36、50、52、54、59。
左右共に後ろへ。11秒65、75、クリーニング、66、81。
左右共に前側へ。11秒64、87、12秒18、電池交換、11秒42、67。
左右共に後ろへ。11秒51、60。

モーターがかなり熱くなってきたので、ここでテスト走行終了。

では今回のテスト走行の結果を観てみると、今回の条件下では、

・リヤローラーの位置は後方だと遅くなる傾向あり
・モーターが加熱し過ぎると遅くなる。当然だが、どこかに適正温度がある筈
・今回使用したシャーシは駆動系の馴らしが足りなかった可能性あり
・同じくベアリングローラーも馴らしが足りなかった可能性あり
・ローラーを取り付けるバンパーの迎え角は、
 力学的に無理のない形状の方が挙動が安定する模様

と、まぁ当たり前の結果となったが、それを確認する事で幾分の安心を得られた。

次回は(気力的に何時になる事やら分からんが)
この辺りの位置でリヤ・ローラーは固定して、フロント・ローラー位置の力学データを採りたい。

(このページの最新更新日: 2011. 6.01水


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