「コーナリング ローラーの位置と力学」(基本編) by tw

テスト日: 2009年01月27日(火)
今回はジャパンカップ ジュニア サーキットを左図の通りオーバルコースに組んで外周で計測。
2つのコーナーの外側には5kgの鉄アレイを置いてコースを固定した。

今回も使用したマシンはMSシャーシで、トルクチューンモーター、黄緑とピンク色のギヤ、
前後ローラーの位置はそれぞれ3段階に変更でき、タイヤのトレッド(左右の装着位置)も変更できる。




まずは前後ローラー位置について、
ホイールベースならぬローラーベースと呼ぶ事にする。

ローラーベースを最も短く、タイヤはナロートレッドにして計測。
フロントローラーは下側に装着。
3周目、いきなりコースアウト、しかしその後はCOせずに周回を続けている。

タイムは 0.94秒〜0.95秒 の間を推移している。


次、ローラーベースを最も長くして計測。
タイムは 0.93秒〜0.94秒 の間を推移している。

0.01秒速くなったが、電池が温まり放電特性が良くなったせいかもしれない。


前の状態、ローラーベースを最も短くしたセッティングに戻す。
タイムは 0.92秒〜0.93秒 の間を推移している。

最初の同じセットよりも0.02秒速くなっているので、
電池が温まり放電特性が良くなってきた可能性が高い。


またローラーベースを最も長くした状態に戻す。
タイムは 0.92秒〜0.93秒 の間を推移している。
0.92秒を記録する回数が増えてきた。
速いタイムの記録回数からして、どうもローラーベースは長くした方が速い様子だ。

同じロングローラーベースのまま、タイヤをワイドトレッドへ。
タイムは 0.93秒〜0.94秒 を推移している。少し遅くなった。

すぐにナロートレッドに戻したら、0.92秒を立て続けに記録した。
やはりナロートレッドの方が速い様子だ。


そしてナロートレッドのままフロントローラーを上側に付け変えてみたら、
ここでちょうど電池が弱くなってしまった。
新品電池に交換して計測。フロントローラーは上側。
新品電池の効果は高く、0.86秒〜0.87秒を推移した。

フロントローラーを下側へ戻す。0.87秒〜0.91秒を推移。新品電池の効果が切れた様だ。

フロントローラーを上側へ戻す。0.88秒〜0.91秒を推移。遅いタイムを記録する回数が増えた。
そして遅いのにも関わらずコースアウト多発。
このマシンの場合、フロントローラーは下側の方が速く、且つ安定して走行する様だ。




「総括」

普通のミニ四駆には元々前進する力しか無い。コーナリングするには、コースのフェンスに誘導されてコーナリングする。
今回、長いローラーベースの方が速いタイムを記録した仕組みを推測すれば、テコの原理が考えられる。
コースのフェンスにフロントローラーが接触した際に、
フロントローラーと前輪との長さが長い方が、軽い力で車体の向きを変えられる。

ナロートレッドも同じ仕組みで、トレッドが狭い方がフロントローラーとタイヤの距離を離す事が出来る。
ただナロートレッドは内輪差を小さく出来て、デフの無い両輪の摩擦を軽減できる効果も高いだろう。

(このページの最終更新日: 2009. 1.28)

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