テスト走行:スライドダンパーは遅くなる?


製作・撮影・text by tw / Web公開日:2014.11.18火

筆者はこれまでスライドダンパーを使った経験はないのだが、
ここ2年程、公式レースの上位入賞マシンで流行しているスライドダンパーが速いのか遅いのか簡単に検証してみた。
コースはJCJCのストレート2本、180度コーナー、ストレート2本、180度コーナーでオーバルを構成。
フェンスにテープは貼らず、継ぎ目の衝撃を大きくした。外周を右周りで計測。

【テスト車輌】
スライドダンパー:自作FRPフロントのみ(基礎部1枚・可動部2.5枚)
モーター:ハイパーダッシュ3
ギヤ比 :3.5:1
電池  :ネオチャンプ
シャーシ:AR

スプリングはソフト、ハード、そしてシャーシと固定の3種類をテスト。

【テスト走行結果】
ソフト:1秒23
固定 :1秒17
ハード:1秒22
固定 :1秒17
ハード:1秒22

スライドの方がいきなり遅いのでリヤのスライド機構を作る気力が無くなった...。
予想通りなのだが、スライドすると単純にコーナーで遠回りする。
そしてフロントのみスライドだと、コーナーでマシンの向きが外向きになってしまうので、
その角度が嫌なら、リヤもスライドを使う必要があるが、そうするとますます遠回りで走る事になるだろう。
デジタルカーブも含め、大径ローラーを使うなら正直スライド要らないのでは?と思ってしまった。
機構の分、重くなるし。
段差の大きな公式5レーンでは、柔らか目なJCJC3レーンよりスライドの意味はあるだろうが、
それでも遠回りするデメリットは避けられない。

筆者は過去4年の公式レースで、スライドダンパーがあればコースアウトしなかったというリタイヤはまだ無いんだよなぁ…。


(このページのここまでの最終更新日: 2014.11.18火)


前後スライドダンパーをテスト  製作・撮影・text by tw / Web公開日:2014.12.05金

上の様に書いたが、直後に開催された高速戦のオータム品川に固定バンパーで臨んだら、デジタルカーブでコースアウトした…。
上位車はスライドダンパーを採用していた。その為、追加テスト。コースは前回と同じ。
今回は、公式レースと条件を同じにする為、ローラー径を19mmにした。

既製品のスラダンを購入してみてやっと気付いたのだが、これはスプリングにプリロード(*バネを縮める事)をかけてあった。
前回筆者が自作した物はプリロードをかけておらず、初期ストロークが柔らか過ぎた。


【テスト車輌】
スライドダンパー:既製品
バンパー:前FRP/後シャーシカット
モーター:ハイパーダッシュ3
ギヤ比 :3.5:1
電池  :ネオチャンプ
シャーシ:AR

今回もスプリングはハード、ソフト、シャーシと固定をテスト。

【テスト走行結果】
前ハード/後ハード:0.99秒
前固定 /後固定 :0.96秒
前ハード/後ハード:1.00秒
前固定 /後ハード:0.97秒
前固定 /後ソフト:0.99秒

前後ハードと前後固定では0.03秒差となった。
単純に計算すればコーナーだらけのコースなら、
30秒弱のレースで約0.9秒の差がつく。

遅く安全なスラダンか、速く軽量な固定バンパーか、
0.9秒払って安全に行くか、攻めて0.9秒縮めに行くか。
コースレイアウトと状況を観て選択すれば良いだろう。
今回のオータム品川では、一次予選の最速は31秒台であった様なので、
筆者が固定バンパー車で見込んだ30秒台のパワーソースで、スラダンを採用したマシンが正解だった訳だ。

前固定/後ハードでは、前後固定と0.01秒差で済んだが、
この構成では今回のオータムは攻略できなかったと筆者は判断している。

前固定で後ソフトは後ハードより遅くなったが、
車体が内向きになり過ぎ、トラクションが抜けた様だ。
利点が見つからないので、このセッティングを使う事は無いだろう。

(このページの最新更新日: 2014.12.05金)

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