縦ループ式レーンチェンジャー、高速仕様マシン

発案・製作・撮影・illustration・text by tw (2011. 7月下旬)
(Web掲載日:2011. 7.30 土)

筆者の地元のレースコースのレイアウトは毎月変更される。
今月末のレースでは、
レーチェンジャーが立体S字ではなく、縦回転のループ式となり、
他にアップダウンの無いコースなので、
それに対応した高速仕様のマシンを今回製作した。

このコースの攻略ポイントは、縦ループ区間で車体下部が擦って減速しない様に、
下段ローラーを高く設置しなくてはならない事だ。
その為にもリヤローラーは前進させた位置とした。



スタビポールは、コーナーのフェンスに接触して摩擦抵抗が発生するし、
且つ今月は立体S字レーンチェンジャーが無いので、今回は未装着で作る事に決めた。

(*まず、紙製の空力パーツは未装着でテスト走行を行った。)
フロントローラーの装着位置の高さは、バンパーの下側と上側と、
比較テスト走行させた結果、上側の方がタイムが速かったので上側を採用。

しかし上側だと、コーナーでノーズアップによるコースアウト率が上がった。
フロントローラーを下側にしてスタビポールを付ければコースアウトしない様だが、
それだとタイムが遅い。



マシンを自室のミニ風洞に入れてみると、フロント下部に高圧リフトが発生しており、それは電池を低く改造した事が原因であった。
勿論、路面がフラットならば空力のリフト量だけでノーズアップしない程度の微力でしかないが、 前輪がコースの継ぎ目の段差に当たった時などの弾みで車体前部が浮き易くなるきっかけには成りかねないと思う。


そこで空力リフトを軽減する為に空気力学パーツを自作。今回は、
フロント下部の空気を上方へ引き抜くフリップアップと、
電池前部の気流を分けるセパレーターを製作。
本当はサイド・ディフレクターも装着しないとセパレーターの効果が低いのだが、
時間と気力の問題から(←全部だ)諦める。

田宮のミニ四駆公式規則上の理由から、プラ板もセロハンテープも使わなかったが、
FRPプレートを駆使した高度な工作が合法なのに、田宮が販売しているプラ板の使用が違法とされるのは一体どういった思考回路でそう決められたのか筆者には不可解。




車体下側にセパレーターを着けたので、

スイッチはカウルの上側から操作する。








リヤもFRPプレートを2枚重ねて接着し、
強度上、要らなそうな厚みの部分を薄く削った。
90年代フォーミュラーのアンヘドラル・ウイングの様な形となった。

リヤバンパー上面から上段ローラーまでの金属スペーサーは、
径の大きい銀色ではなく、小径な金色スペーサーとして軽量化。


昔から一度は作ってみたかった、フロント・ディフューザー。
この空間から、気流の引き抜き量をイメージできると思う。


尚、カウルをシャーシに固定しているのは両端のビスではなく、
フロントの青いボールキャップ1つ。


ホイールの外側と内側を「逆」にして装着してトレッドを狭め、内輪差を軽減した。




切り出したFRP電池ホルダーも少し薄く削り軽量化。
ワッシャーは電池交換の時間短縮の為に接着。

筆者の以前のVSシャーシ・マシンでは、バッテリー・ホルダーは金属ナットで留めていたが、 軽量化の為に今回はプラスチック樹脂へ変更し、シャーシへ接着。
この穴は出荷状態のフロントバンパーから切り出した。




複数のFRPプレートから成る自作フロントバンパーは、
FRPプレートを削った粉と、
鉛筆の芯(一応カーボン。繊維ではないが、同じ粉なら硬い方が良いかと)
を削った粉を混ぜて、
各部分へ盛って瞬間接着剤で一体化させ、
乾いたら金属製ヤスリで削って整形。

そのままだと鉛筆であって、指で触ると黒く着くので、整形後に表面を薄く瞬着を塗布して乾かした。 と正直に云うと規定違反にされるならば、黒が好きなので黒く塗ったと言っておけばクリア。



視界不良


レース当日雨の予報


(このページの最新更新日: 2011. 7.30土 am 4時

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