text & illustration by tw (2022/ 2/11金)
1989年、フェラーリがフロントサスにトーションバー スプリングを導入。デザイナーはジョン バーナード。
これは金属の棒を捻じる事でバネにするスプリングだ。
(* 下図は筆者による想像図)
バネとしてのトーションバー スプリングの性質は、捻じった量とそれで増加するバネの強さが綺麗に比例すると書物に記述されている。
空力ダウンフォースを活用するレーシングカーは、普通ならば、ほぼ車速の2乗で空力ダウンフォースが増す筈なので、
その垂直荷重を支える為に、当時は地上高(ライド ハイト)を制御する理由でこういうバネが望ましかったのだろう。
一方でコイル スプリングは製造でムラがあるらしく、簡素な形状で製造精度の高いトーションバーがF1界で好まれるきっかけとなったと思う。
昔、同じ強さのバネを生成するには、コイルよりトーションバーの方が質量が少なくて済むという話を聴いた気がするが、筆者は詳しくは知らない。
当時(1989年頃)のF1は、フロントサスがプッシュロッド形式ならば、コイルスプリング&ダンパー ユニットは、モノコックの上面に置くのが主流であったと思う。
ロッカーとダンパーがモノコック上面にあるままでも、コイルスプリングを撤廃して縦置きのトーションバーとすれば、重心高が低くなるメリットもある。
ちなみに2021年のF1マシンのフロントサスもトーションバーであった模様。
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