(*筆者は1998年〜1999年のフェラーリのリヤサスの写真を観た記憶が無く、
2000年にF1モデリング誌の掲載写真で、今回記述するリヤダンパーを観た。
なので、フェラーリがいつから採用していたのか不明なのだ。)
(ダンパーの側面図) バンプ側に、補助の細いコイル スプリングを装着している。
(車体後ろから見た図)
ロッカーは前後に立体形状で、プッシュ ロッドとダンパーが干渉しない様にしてあった。
(細かい話をすれば、筆者はこのダンパーとプッシュロッドと、どちらが前側にレイアウトしていたのか、前後関係が思い出せない...。)
ギヤボックス ケーシング上側にあるトーションバー スプリングは、アンチ ロール バーだ。
もしスルーロッドではない普通のダンパーがストロークすると、ダンパーの筒の内部へシャフトがどんどん浸入してきて内部容積が変化する不都合がある為、
普通のダンパーは、中にフリー ピストンと高圧ガスを備えてあって、シャフトの侵入量の容積変化をガスが圧縮されて吸収する。
そこで、このフェラーリのリヤサスは、ロッドをダンパーに貫通させて、内部容積変化が起こらない様に工夫した。
これならば、薄く、軽く、小型にできる筈なので、これはダンパー単体の性能としての発想は素晴らしかったが、
F1車輌の場合、ギヤボックス側面にダンパーユニットを置くと、明らかにそれがリヤエンドの空力性能を阻害してしまう為、車のパッケージとしてはあまり良くなかったと思う。
このリヤサスはフェラーリで2001年シーズンまで採用されていた形式で、2002年はリヤ ダンパーはギヤボックス ケーシングの内部に収められた。
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