フェラーリ 248F1   text by tw  (2006. 1.17)


2006年1月16日、フェラーリの2006年シーズン用マシン「F2006」がフィオラノでシェイクダウンされた。
新車だが、概観からは昨(2005)年車と比較してあまり大きな違いは見られない。

注目のフロント・ウイングは、昨(2005)年同様に400mm幅のフォワード・ウイングを使用している。
ただしフロント・ウイング自体が昨(2005)年と同様のデザインなので、 開幕までにアップデートされる可能性もあるかもしれない。

ノーズコーン先端は薄く、広幅で、
上面は完全なフラットではなく、若干左右へ気流を分ける形となっている。
ノーズ下面はややスラントして、フロントウイングの気流を迎え込んでいる。



フロントサスのロワアームの取り付け部は、モノコックの下方に有る。
(これを書いている時点では、筆者はまだV型キールかセンターキールかを判別できる写真を入手できていない。)

アッパーアームの上方には、昨年同様、水平に近い翼断面のフィンが設けられている。
このフィンは、どこかに小さな穴を設けて、ブレーキダクトとして合法化してあると思われる。



昨年同様サイド・ディフレクターは、ボーダーフィンが上下2段構成で設けられている。

サイドポッド側面の下部は絞り込んであるが、現在のF1マシンの中では最早控えめな部類となっている。

サイドポッド上面の両端には、昨年車でも見られたフィンが立てられている。
これはサイドポッド上面の高圧流が、低圧の側面側へと流れ込まないようにする役目だと思われる。
このパーツは交換可能となっており、気温に合わせてラジエーター・チムニーを装着すると思われる。

サイドポッドのフェアリングフィンは間隙フラップ式となった。
やや小さめの翼端板が付いている。

流行の後輪手前の縦のベーンは使用していない。



ミラーは、極端に左右へ離されて設置され、F2006の特徴的な部分となっている。
ミラーは気流を乱してしまうので、綺麗な流れの中に設置しておくよりも、
既に前輪が巻き起こしている乱流中に置いた方が得策という考え方なのかもしれない。

後輪がミラーの役目を妨げない様に、ミラーは高い位置に設置されている。

ミラーのステーはサイドポッド上面の前端から前方へと延ばされ、やや横へ捻れた形状とされている。



ロープを通す穴は、今季もモノコックを横へ貫通するタイプ。

インダクションポッドのミッドウイングは狭幅で、ダウンフォース発生型。
昨(2005)年は前後2段の構成だったが、今回は1枚仕様となった。



サイド・ディフューザーには、中央寄りの部分に、やや大きめのガーニーフラップが装着されている。

リヤ・ウイングの上段は、2本のステーを使用して荷重を分散して受け止めてある。
この2本のステー間の間隔は広めとしてある。

そして、上段ウイングの前面投影面積自体はストレート・タイプだが、
間隙フラップの開け方を湾曲させた3次元形状のウイングとしている。

翼端板は、上段ウイング上面の高圧流を外側へ排出するスリットを開けて、翼端流を制御している。

(ここまでの最新更新日:2006/ 1/17
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