レッドブル RB3   text & illustration by tw  (2007. 1.26)


2007年1月26日、レッドブルの2007年用マシン、「RB3」が公開された。
写真は、F1racing.netF1Live.com等を参照。
このRB3は、F1界のトップ空力デザイナーの1人であるアドリアン・ニューウェイが
同チーム移籍後に初めて手がけたマシンとなり、RB3の随所に同氏が在籍したマクラーレンの手法が見受けられる。

エンジンはルノー製を搭載する。記事に拠ればルノーチームと同一スペックのエンジンが供給されるとの事。

以下、RB3の概観から筆者の私見を記す。
各部パーツの呼称については、[各パーツの名称]ページを参照。



ノーズ先端は低く、やや幅広とされた。
フロント・ウイングは、マクラーレンの様にシンプルなラインを描いて、中央部を大きく下方へ湾曲させている。

フロントサスは昨(2006)年のV型キールではなく、ゼロキール式とされた様だ。
前輪、後輪共に、ブレーキ・キャリパーは下側に配置している。

モノコック上面の高さは、サバイバル・セル上端(車体底面より550mm上方)よりも僅かに高くされた。
サイド・ディフレクターの全高は低めとされた。

バックミラーはフェラーリの手法を真似て、規定一杯まで左右に離された。(車体中心線から左右へ700mm以内)

サイドポッド前端の全高は高く、サイドプロテクター側面とスムーズに繋がっている。
ラジエーター・チムニーは現在は小型の物となっている。
サイドポッド上方のミニ・ウイングはマクラーレンと似ており、ウイングの上側には翼端板が無い。



エンジン・エア・インテークは縦長の丸い形状。
インダクションポッドの材質は厚めとなっている。
エンジン・エア・インテークの下側には、マクラーレン同様に穴が開けられている。

ロープを通す穴はモノコック側面に開口している。
しかし、エンジン・エア・インテークの下側とヘッドレスト上面とはロープを通せそうな空間があり、
何故マクラーレンの様にこの部分をロープを通す穴としなかったのか筆者は疑問に思っている。

サイド・プロテクターのレギュレーション・フィンは、
マクラーレンの様に、フィン後ろ側の下側がサイド・プロテクターとは切り離されている。

リヤ・ウイングのアッパーエレメントは、ルノーの様に中央部がヘの字に湾曲したタイプ。
リヤ・ウイング・ステーは、アッパーウイング下面からギアボックス上面へ向けて2本で支持している。

リヤ・ウイングの翼端板には、ウイング上面の高圧排出スリットが開けられ、
アッパー・ウイング上側では3つ、ロワ・ウイング上側では4つ程開いている様だ。
尚、ロワ・ウイングの上側に高圧排出スリットを開けるアイディアは、
F1では昨年のフェラーリが最初に登場させたと思うが、それよりも筆者の方が先に考案し、本サイトに掲載している。
[twアイディアのページ]を参照。

(このページの最新更新日:2007/ 1/26


左図: 上の26日の更新分で述べた、ロープを通す穴についてのスケッチ。
モノコック側面に穴が開口している事で、エンジンカウル側面の気流が乱れる筈だ。(青の気流線で示す)

エンジン・エア・インテークの下側とヘッドレスト上面とはロープを通せそうな空間(赤の点線で示す)があり、
下図に示したマクラーレンの手法を用いた方が良かったのではないだろうかと筆者は疑問に思っている。


左図: 2001年からマクラーレンが用いている手法。
中央にフィンを付けるだけで、ロープを通す穴を作り出す事が出来る。

何故、全チームがこの手法を採らないのか、筆者は理解できていない。
何らかの理由があるのだろうか?


(このページの最新更新日:2007/ 1/28
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