昨(2005)年、筆者はトヨタTF105の独特なリヤウイング翼端板の形状の意味をよく理解できていないままだったが、
今(2006)年のフェラーリも同様の形状としてきた事から、ようやく真面目に一歩踏み込んだ考察をし、そして思い付いた形状のスケッチ。
このアイディアに筆者が要した時間は、フェラーリのリヤウイング翼端板の写真を観てから1日後に考察に取り組み始め、
空力考察時間は数分、そしてデザインしていた時間は数十分程であっと思う。
下図の赤い線が、車輌規定でリヤウイングの翼端板として利用できる範囲を示す。
実際のF1の規定では、たった20mmの幅しか許されていないのだが、
このスケッチでは形状を解り易くする為に、横幅を大きく描いた。
よって、実際にはこのスケッチよりも全体的にかなり幅薄な形状となる。
1:翼端流を制御する目的のフォワード・フィン。
2:高圧排出スリットの開け方を縦にすると、流れ方とエアロマップはどうなるだろうか?
3:翼端流を制御する目的で、ウイングのフラップ両端は、前後方向へ湾曲させた。
このカーブの無いストレートなウイングだと、スリットから排出される圧力が上がると思われる。
4:この立体構造が、2005年にトヨタが登場させた独特な形状。
5:必要な強度的に翼端板の厚みを 3mmと出来たとしても、フィンの幅は17mmまでにしか広げられないので、この外側のフィンは渦流発生装置の役割。
2や4との合わせ技で、このフィンで後輪の後方への流れの供給を制御できるかもしれない。
6:ロワ ウイングの上側にもスリットを開けてみたらどうなるだろう?
7:この位置の縦のスリットは、F1では2004年シーズンの開幕前にミナルディが開けたのが初めてだと思うが、それよりも先に筆者は発案していた(多分)。今回は2段式としてみた。
8:気流を安定させる役割の底面プレート。
9:フロント ウイングの翼端板形状をそのまま応用したコーン状の膨らみで、ウイング下面の気流を吸い出す。
10:これもフロント ウイングを応用した底面プレートのカーブ。これで流れ方を調整する。