フォース インディア VJM01   text by tw (2008. 2.11)


2008年 2月10日、フォース インディアの2008年用マシン、「VJM01」が発表された。
写真は、GPUpdate.net等を参照。
以下、概観から筆者の私見を記す。各部パーツの呼称については、[各パーツの名称]ページを参照。


マシンの全体的な概観は昨(2007)年のスパイカーF8-VIIと然程大きな差異点は見当たらず、保守的な印象だ。
恐らくチームにはマシン開発に灌げるリソースが僅かで、最小限の開発しか行えなかったのかもしれない。

空力コンセプトは、現在では少数派となったアンダー ボーダーウイング式となっている。
大型のサイド ディフレクターを着用していない為、サイドポッド側面下部の絞込みは緩い。
アンダー ボーダーウイング式の空力コンセプトの場合、前輪内側のディフレクターの開発が重要となる。
その理由は、この部分の気流制御で、車体底面への空気の流れが大きく左右される為である。

サイドプロテクターは新規定そのままの解釈の様な形状で、工夫を凝らそうという意欲が感じられない。
筆者は、この形状では気流を乱してしまうと思い、懐疑的だ。

インダクションポッド両脇のミッドウイングは、ダウンフォース発生型ではなく、
形状的には揚力を発生するタイプで、リヤウイングへの都合の良い気流供給が目的と思われる。

このチームには1年と3ヶ月程前からマイク・ガスコインが在籍し、
チームの最高技術責任者として就任しており、「VJM01」は彼の能力が試されるマシンとなる。

(このページのここまでの最終更新日:2008. 2.11


インディアフォースチームは、2月25日のバルセロナテストで、空力をアップデートしたマシンを走行させた。
サイドポッド手前両脇のサイドプレートは、マクラーレンを真似して、
サイドポッド上面両脇の高圧横漏れ防止フェンスと連結させた。
尚、このマクラーレンと同じアイディアは筆者も考案しており、 筆者の方が先に本サイトで公開している

そして今回は新しい空力パーツとして、ミニ ミドル ボーダー ウイングを装着させた。
これはコクピット両脇の中段の位置に装着され、下向きのミニ ウイングとなっている。
これはこの区間の気流をより車体底面へ誘導しようという考え方だと思われる。
尚、筆者はこのパーツよりもよりアグレッシグなアイデアを1999年に考案しスケッチしてあるが、
残念ながら未だ本サイトには掲載していない。

(このページのここまでの最終更新日:2008. 2.26


F1速報誌ヨーロッパGP号にて、VJM01のギアボックスの写真を観る事が出来た。
ケーシングは金属製で、リヤ サスペンション・ユニットは2004年のウイリアムズと同じ様な形式となっている。
図は、ウイリアムズFW26のページを参照してください。
左右のトーションバー スプリングはギヤボックスの外側にむき出しの状態で装着されている。

フォースインディアは予算の限られた下位チームだが、
サイドポッドのサイドプレートとチムニー・フェンスの一体化だった物が別離した物となっていたりと、
細かい空力のアップデートは行われている事が確認できた。

(このページの最新更新日:2008. 8.28
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